【オカルト】バイト先の山奥の診療所。そこの医師が突然言った。「帰れないんだ」 「そんなに忙しいんですか?」 「違う」
931:名無しのオカルト 2014/02/19(水) 15:50:23.46 ID: ID:UVkn4pYzI
駄文だが、暇な方は読んでみてくれ。
スマホからだからミス多いかもだが、あたたかく見守ってくれ。
今は一人前の医師になったが、当時はヒヨッコだった。
医者はたんまりと儲かるものだと思って医学部を目指したわけだが、研修医ってのはマジで辛かった。
どんなに働いても給料は雀の涙。しかも先輩にこき使われる。
通常の給料では生きてけないから、医療関係のアルバイトをするのは結構当たり前だった。
オカ速おすすめ!
932:名無しのオカルト 2014/02/19(水) 16:00:25.83 ID: ID:UVkn4pYzI
一日目
「おぉ~君が新しいバイトか。」
いかにも優しそうな中年の男性が出迎えてくれた。
彼の名前を仮に斎藤さんとする。
この日は特に何もなく、普通に雑務をこなして帰った。
ただ、車で帰る途中、後ろから何か、、視線ではないと思うんだが、何かを感じた。
この時にはすでに目をつけられてたのかもな。
933:名無しのオカルト 2014/02/19(水) 16:13:43.39 ID: ID:UVkn4pYzI
「顔色わるいぞ~。体調悪いのか?」
「あ、すいません。なんでもないっす!」
なんとか誤魔化しながら雑務をこなしていく。
「そうだ!君さ、今日暇だったらここに泊まって行きなよ~」
いや、めっさ忙しいんですけど。
「いいよね!いつも俺一人だからさみしくてなぁ。お前の仕事も手伝ってやるからよ。給料もあげとくからよ。」
そこまで言われたら、斎藤さんの誘いを断るのは悪いなぁと思って泊まることにした。
934:名無しのオカルト 2014/02/19(水) 16:26:03.01 ID: ID:UVkn4pYzI
23:00を過ぎてから、俺は斉藤さんといろいろたわいもない話をしていた。
そしたら急に斎藤さんが愚痴をこぼし始めた。
937:名無しのオカルト 2014/02/19(水) 16:35:40.04 ID: ID:UVkn4pYzI
「人柄がいいからですよ。山奥の診療所ってなんかいかにも優しいお医者さんがいるって感じがしますよ。」
「そうかな~。そうだよなぁ。」
「そうですよ!」
「なんか救われたわwありがとな。」
「そういえば、斎藤さんはいつもここで寝泊まりしてるんですか?」
「…」
急に斎藤さんが黙ってしまった。
「帰れないんだ。」
943:名無しのオカルト 2014/02/19(水) 17:17:02.52 ID: ID:UVkn4pYzI
「帰れないんだ。」
「そんなに忙しいんですか?」
「違う。」
さっきから明らかに斎藤さんの様子がおかしい。
「じゃあどうしてですか?」
「帰れないんだ。」
もしかしたら聞いちゃいけないこと聞いちゃたんかもな~と思い、話題をそらそうとする。
「そういえば…」
「帰れないんだ。」
「どうしたん…」
「帰れないんだ!!」
バタンッ
部屋から出て行ってしまった。
945:名無しのオカルト 2014/02/19(水) 17:21:29.17 ID: ID:UVkn4pYzI
ここは一人にしておいてあげた方がいいのかな。
とか思いながら、溜まってた大学病院での仕事を終わらせようとデスクに向かおうとした。
「…っん!?」
体が動かない。これが金縛りなのか。
948:名無しのオカルト 2014/02/19(水) 17:29:47.97 ID: ID:UVkn4pYzI
本当に全く動けない。
唯一動くのは目だけだった。
当時幽霊なんて全く信じていなかったおれは、「とうとう体が悲鳴をあげはじめたのかな?」とか思ってた。
…ォ
「ん?」
…レォ
なんだ?変な声が聞こえてくる。
…クレヨ
斎藤さんの悪ふざけかな?
949:名無しのオカルト 2014/02/19(水) 17:33:53.11 ID: ID:UVkn4pYzI
やばい。斎藤さんじゃない。
俺は目を可能な限り動かして、音の正体を見つけようとするが見つからない。
ピチャ…ピチャ
マジか。これはマジでヤバい。どうしよう。
ピチャ…ピチャ
明らかに近づいてくる。
950:名無しのオカルト 2014/02/19(水) 17:38:50.98 ID: ID:UVkn4pYzI
急に体が動くようになった。
すぐ後ろを振り返る。
…何もいない。
何だったんだ今のは?頭おかしくなっちまったんかな?
ピチャ…
いや、なんかいる。
951:名無しのオカルト 2014/02/19(水) 17:42:29.82 ID: ID:UVkn4pYzI
この部屋電気ついてるから、人がいるとばれてしまう。
かといって急に電気消したらそれこそここに俺がいるとばれてしまう。
ここはひとまず、斎藤さんと合流してどうにかしないと。
そぉっと廊下に出ようとした。
斎藤さんは居た。
か、『そいつ』も居た。
953:名無しのオカルト 2014/02/19(水) 18:07:54.00 ID: ID:UVkn4pYzI
斎藤さんは白目をむいていた。
そして、逆に黒目いっぱいの『そいつ』を引きずっていた。
『そいつ』には足らしきものはなく、上半身のみ。髪の毛が長くて、斎藤さんがそれを掴んで引きずってる。
「ア、イタヨ」
『そいつ』に見つかった。
「アタカミ?ちゃん行くよ」
斎藤さんがすごい速さで走ってきた。
955:名無しのオカルト 2014/02/19(水) 18:13:30.87 ID: ID:UVkn4pYzI
人間って危機を感じると考えなくても体が動くんだな。
後ろを振り向く余裕なんかなかった。
今すぐここから出たかった。
はぁ…はぁ…はぁ…
なんとか診療所から出た。
絶望だった。
956:名無しのオカルト 2014/02/19(水) 18:19:28.90 ID: ID:UVkn4pYzI
車に乗る余裕なんてなかった。
泣きながら俺は山林に逃げ込んだ。
今思えば、『そいつ』たちは自らは動けなかったのかもしれない。
10分ほどして、我に返った。
ここどこだ?
家はどっち方面だ?
957:名無しのオカルト 2014/02/19(水) 18:27:58.39 ID: ID:UVkn4pYzI
遠くで叫んでいる。
少なくとも、今は身に危害はないみたいだ。
少し落ち着いてから、俺はとにかくふもとへ下り始めた。
しばらくすると、小さな集落が見えてきた。
よし。助けてもらおう。
ドンドンドン 誰かいらっしゃいませんか~?
誰か~?
そういえば今何時だ?
時計は外したままだった。
こんな時間に起きてる人はそうそういないだろう。
958:名無しのオカルト 2014/02/19(水) 18:36:55.93 ID: ID:UVkn4pYzI
そう決心した時、
「ア、イタヨ」
え?
さっきまで叩いていた家の入り口から村人らしきひとが白目をむいて、手には『そいつ』を持っていた。
俺は自分がおかしくなるんじゃないかと思う位泣き叫びながらまた山林に逃げ込んだ。多分そう。
気づいた時、俺は木に寄りかかって寝ていた。
太陽のひかりが差し込んでいた。
959:名無しのオカルト 2014/02/19(水) 18:45:11.65 ID: ID:UVkn4pYzI
自分にそう言い聞かせながら立ち上がった。
しかし、流石に診療所に戻る気は起きず、車は捨てる決心でとにかく下ろう、
そう思って辺りを見まわした。
斎藤さんがいた。
斎藤さんがニコニコしながら上の方から
「そんなとこで何してるんだ?」
「う、うわぁぁぁぁぁぁ」
気づけば俺は大学病院のベッドで寝ていた。
961:名無しのオカルト 2014/02/19(水) 18:58:42.50 ID: ID:UVkn4pYzI
先輩の声で目が覚めた。
「あれ?俺どうなってたんですか?」
「今朝、斎藤って人がお前を運んできたんだ。体のどこにも異常がないのにお前ずっとうなされてたから心配したんだぞ!」
マジかよ…
「…斎藤さん、何か言ってませんでしたか?」
「そうなんだよ。“かわいそうに。もう逃げられないね”だとよ。どういう意味だ?お前薬でもやったのか?」
「そんなんじゃありませんよ。あ、そういえば車山奥の診療所に置いてきちゃったので、とりに行ってもらえませんか?」
962:名無しのオカルト 2014/02/19(水) 19:03:38.85 ID: ID:UVkn4pYzI
「俺一人じゃあんなとこ…」
俺泣いちまったw
そしたらさすがの先輩も気遣ってくれて、
「なんかあったな。仕方ねぇ。行ってやるか。だが、お前も来いよ。」
「はい…」
次の日、教授には相当無理を言って休みをもらって診療所まで行ってきたんだ。
963:名無しのオカルト 2014/02/19(水) 19:10:56.70 ID: ID:UVkn4pYzI
「は?こっちだろ。そっち行き止まりだぞ?」
そんなはずない。
山奥までいくバイトだったから、道順間違えて遭難なんかしたらやばいと思って頭に叩き込んだはずだ。
「こっちですよ。二日間通ったから間違いありません。」
「間違いねぇって…俺この辺詳しいから知ってるけどそっちは行き止まり。そんなに信じらんないなら行ってみるか。」
「はい。」
本当に行き止まりだった。目の前崖。
先輩の言ってた方に行ったらあった。診療所が。
964:名無しのオカルト 2014/02/19(水) 19:17:43.79 ID: ID:UVkn4pYzI
「斎藤さ~ん!いらっしゃいますか~?」
「はいはーい」
違った。
俺の知ってる斎藤さんじゃなかった。別人だった。ってか女の人だし。
先輩も驚いている。
「あの…斎藤さんですよね?」
「えぇ。でもなぜ?」
「昨日、この馬鹿を運んで来てなんていませんよね?」
「馬鹿って…」
「えぇ。初めましてよね?」
「ご主人とかいらっしゃいますか?」
「あの人は死にました。」
965:名無しのオカルト 2014/02/19(水) 19:24:49.85 ID: ID:UVkn4pYzI
「こっちよ。」
あぁ。マジかよ。俺の知ってる斎藤さんじゃねぇか…
「そ、そういえば、俺の車…」
「車?そんなものあったかしら。」
後日、車は見つかった。崖のしたで。
以上です。最後ですが、この話は俺が狂っていない限り本当にあった話です。
幽霊を馬鹿にするのはやめた方がいいかも…
ありがとうございました。
引用元:死ぬほど洒落にならない怖い話を集めてみない?318
この記事へのコメント
コメント一覧 (5)
フリーのホラゲにありそう。
occlut_soku
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occlut_soku
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何日間も偽の診療所に通勤なんてことは有り得ないです。ありがとうございました。
occlut_soku
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occlut_soku
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まあ、その斎藤さんって医者が病院に運んでくれたって事は殺すつもりはなかったんだろうし。
なんか前にみた火事で焼失した旅館のバイトの話を思い出した。
occlut_soku
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