【オカルト】関係者以外通行禁止と記されたトンネルを通り抜けてみたが普通のトンネルが続いた。しかし彼女は言った……
728:名無しのオカルト 2009/06/28(日) 02:49:28 ID: ID:RBSo4qnX0
こんな話を聞いた。
視点をその人のものに修正して書く。
去年の秋口のことだった。
私は彼女を連れてある街の海辺の小さな博物館へ行くことにした。その街は戦前から続く日本でも有数の軍都であり、現在でも自衛隊や米軍の基地・施設が数多くある。私は子供の頃よく両親と来たことがあったのだが、出身県が違う彼女はその街に来たこと自体が初めてだった。
学生で車のない私達の交通手段はバスしかなかったのだが、あいにく博物館の前まで行ってくれるバスまではかなりの時間があったため、博物館の近くの公園行きのバスを使って公園からは歩いていくことにした。
土曜、だったように思う。天気も良い上にまだそれほど寒くもなく、公園はバーベキューや釣り、磯遊びを楽しむ家族連れで賑わっていた。
園内にあった地図を見ると、小さな山を一つ越えたところに博物館があることが分かった。海沿いの回り道か山道かの二択である。
私達は山道を選んだ。案外急な坂を登り切ると、少し開けたところに出た。戦中まで砲台があったと立て看板に記されていたが、おどろおどろしいような雰囲気は
なく、他の家族連れも散見された。ここから下っていけば博物館である。
と、私は近くに「関係者以外通行禁止」と記された看板のあるトンネルを見つけた。脳内地図を再生すると、どうやらこれを抜ければ博物館まで直線に近い道のりである。
視点をその人のものに修正して書く。
去年の秋口のことだった。
私は彼女を連れてある街の海辺の小さな博物館へ行くことにした。その街は戦前から続く日本でも有数の軍都であり、現在でも自衛隊や米軍の基地・施設が数多くある。私は子供の頃よく両親と来たことがあったのだが、出身県が違う彼女はその街に来たこと自体が初めてだった。
学生で車のない私達の交通手段はバスしかなかったのだが、あいにく博物館の前まで行ってくれるバスまではかなりの時間があったため、博物館の近くの公園行きのバスを使って公園からは歩いていくことにした。
土曜、だったように思う。天気も良い上にまだそれほど寒くもなく、公園はバーベキューや釣り、磯遊びを楽しむ家族連れで賑わっていた。
園内にあった地図を見ると、小さな山を一つ越えたところに博物館があることが分かった。海沿いの回り道か山道かの二択である。
私達は山道を選んだ。案外急な坂を登り切ると、少し開けたところに出た。戦中まで砲台があったと立て看板に記されていたが、おどろおどろしいような雰囲気は
なく、他の家族連れも散見された。ここから下っていけば博物館である。
と、私は近くに「関係者以外通行禁止」と記された看板のあるトンネルを見つけた。脳内地図を再生すると、どうやらこれを抜ければ博物館まで直線に近い道のりである。
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729:名無しのオカルト 2009/06/28(日) 02:51:53 ID: ID:RBSo4qnX0
(続き)
とはいっても鉄格子や有刺鉄線で封鎖されているわけではなく、照明が無い上に結構な長さがあるものの出口もしっかりと見えていた。
どこか会社の持ち物なのか、そこの社員がたまに使うだけでメンテナンスが面倒だから明かりもつけていないのだろうか。
などと思いつつ、せっかくだから行ってみよう、と私の中に小さな冒険心が生まれた。怖がる彼女を勇気付け(宥め賺した、とも言える)、私達はトンネルの中へと進んだ。
一切の照明のないトンネルは思っていた以上に不気味だった。足元が見えないのは危ないので、気休め程度にしかならないもののケータイのライトを点けた。
別に地面に骨が落ちているわけでも壁に人型の染みがあるわけでもなく、普通のトンネルが続いた。
だが当然ながら、彼女には十分怖かったようだ。惚気であるが、無事に抜けた時の「もー!怖かったんだから!でもずっと手つないでてくれてありがと」と詰るような、だがどこか甘えたような目が忘れられない。
あれから結構な時間がたった。
あの時私はカメラを持ち、ケータイを持っていた。
手など繋いでいなかったと告げるべきか、今でも迷っている。
とはいっても鉄格子や有刺鉄線で封鎖されているわけではなく、照明が無い上に結構な長さがあるものの出口もしっかりと見えていた。
どこか会社の持ち物なのか、そこの社員がたまに使うだけでメンテナンスが面倒だから明かりもつけていないのだろうか。
などと思いつつ、せっかくだから行ってみよう、と私の中に小さな冒険心が生まれた。怖がる彼女を勇気付け(宥め賺した、とも言える)、私達はトンネルの中へと進んだ。
一切の照明のないトンネルは思っていた以上に不気味だった。足元が見えないのは危ないので、気休め程度にしかならないもののケータイのライトを点けた。
別に地面に骨が落ちているわけでも壁に人型の染みがあるわけでもなく、普通のトンネルが続いた。
だが当然ながら、彼女には十分怖かったようだ。惚気であるが、無事に抜けた時の「もー!怖かったんだから!でもずっと手つないでてくれてありがと」と詰るような、だがどこか甘えたような目が忘れられない。
あれから結構な時間がたった。
あの時私はカメラを持ち、ケータイを持っていた。
手など繋いでいなかったと告げるべきか、今でも迷っている。
引用元:死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?216
この記事へのコメント
コメント一覧 (3)
普段そんな顔をしないから忘れられないんだとしたら、彼女はトンネルで別ノモノと入れ替わっていた。
と、深読みもできる言い方をする人だな。
occlut_soku
がしました
運転中のドライバーが助手席の人の手を握ってきたら、
「真面目に運転しろ!」って雷が落ちる
occlut_soku
がしました
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