【短篇集】山の怖い話『痛てえと叫ぶ薪』『牧場の牢屋』『熊の体に真っ白な顔は……』【雷鳥】

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59名無しのオカルト 2009/02/26(木) 01:47:29 ID: ID:CNWAGFNo0

147 名前: 雷鳥一号 03/11/27 00:13

知り合いの話。

家の裏山で蒔割りをしていた時のこと。
鉈を振り下ろした蒔が突然、痛てえ!と叫んだのだという。
驚いて鉈を取り落とし、蒔を拾い上げて調べてみた。
何も変わったところの無い普通の蒔だった。

首を振って振り返ると、弁当代わりの握り飯が根こそぎ
失くなっていたそうだ。




 

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60名無しのオカルト 2009/02/26(木) 01:48:25 ID: ID:CNWAGFNo0

226 名前: 雷鳥一号 03/11/28 01:51

友人の話。

大学生の時、大学近くの城跡に肝試しに行くことになった。
その城跡は山頂の森中にあり、真っ暗闇の中、苦労してたどり着いた。
ひとしきりうろついて帰ろうとした時のことだ。

 おいっ お前らっ!

いきなり野太い声が、誰もいないはずの闇中から掛けられたという。
同時に金属のようなものがぶつかる、かちゃかちゃという音も聞こえたらしい。
その途端、この城が古戦場跡地で、多くの武者が死んでいることを思い出した。
転がるようにして闇の中を駆け下りた。
かちゃかちゃという音は、麓付近までついて来たそうだ。

友人たちは皆、二、三日熱を出して寝込んだ。
詳しい人からは、武者関係の祟りは熱病が多いから気をつけろと言われたという。




61名無しのオカルト 2009/02/26(木) 01:48:54 ID: ID:CNWAGFNo0

227 名前: 雷鳥一号 03/11/28 01:52

同僚の話。

バスを釣りに、山奥のダムに行った時のこと。
他に誰もいない駐車場に車を止めて、ダムまで歩いて行ったという。
夕方、釣果に満足しながら駐車場に帰ってくると、車のボディに何かの汚れが
ついているのに気がついた。

小さな泥まみれの手形が、ボディに点々と押されていた。
ドアを開けようとすると、取手は泥まみれになっていたという。
掃除は後回しにして、即行で帰途に着いたそうだ。




62名無しのオカルト 2009/02/26(木) 01:52:35 ID: ID:CNWAGFNo0

228 名前: 雷鳥一号 03/11/28 01:55

知り合いの話。

山菜を採りに山に入った主婦が行方不明になった。
捜索願いが出され、警察と消防団そしてボランティアが総出で捜した。
残念ながら、彼女は捜索が始まって四日目に遺体で発見された。

ため池すら無い山の中で、なぜかその身体はずぶ濡れだった。
検死の結果によると、死因は溺死だったという。
警察では変死事件として捜査しているそうだ。




63名無しのオカルト 2009/02/26(木) 01:53:29 ID: ID:CNWAGFNo0

311 名前: 雷鳥一号 03/11/28 21:40

知り合いの話。

学生の頃、友人にバーベキューに誘われた。
友人の家は酪農家で、町外れの山で小さな牧場を経営していた。
楽しく飲み食いしていると、敷地の片隅に変わった牛舎があるのに気がついた。
建物自体は普通だったが、入口が牢屋のように格子状になっていた。
どんな牛をいれるんですかと尋ねると、友人の親父さんが教えてくれた。

あれは牛を入れていたんじゃない、くだんを入れていたんだ。

くだんというのは人間の顔に牛の身体を持つ化け物で、予知能力を持つという。
先の大戦中に生まれたそうで、当時では色々とまずかったことを予言していたらしい。
親父さんはこの話を、しごく平然と語っていたそうだ。




64名無しのオカルト 2009/02/26(木) 01:54:06 ID: ID:CNWAGFNo0

312 名前: 雷鳥一号 03/11/28 21:41

後輩の話。

女の子二人だけで、ある渓谷の観光に出かけた時のこと。
渓谷近くのバス停で出会った小母さんに注意されたという。
このあたりの山谷を歩く時は、くだんに気をつけるんだよ。

くだんとは何かと聞くと、人間と動物の合いの子みたいな人面獣身の化け物で、
山に入った女性に悪さをすると教えられたそうだ。
襲われた女性は、また別のくだんを産むのだという。

本当なんだよ、私は実際に、猿のくだんと熊のくだんを見たことがあるんだ。
小母さんは真面目な顔で、声を潜めてそう言った。

信じたわけではなかったが、人影のないコース外の道は歩かなかったそうだ。




67名無しのオカルト 2009/02/26(木) 02:17:34 ID: ID:CNWAGFNo0

313 名前: 雷鳥一号 03/11/28 21:42

知り合いの話。

真夜中、テントの中で休んでいた時のことだ。
外の荷物をがさごそする音で目が覚めた。
熊だと誰かがささやき、皆は緊張して息を殺したのだという。
その時、外から男の太い声がした。

ろくな物がねえなあ。

驚いて入口を開けると、大きな毛だらけの黒いものがいた。
身体は熊だったが、顔部の真中についていたのは白い人間の顔だった。
そいつはニヤリと笑って山の中に消えた。
チョコレートや蜂蜜などの、甘い非常食だけが失くなっていたそうだ。




68名無しのオカルト 2009/02/26(木) 02:20:57 ID: ID:CNWAGFNo0

343 名前: 雷鳥一号 03/11/29 01:17

知り合いの話。

随分と前のこと、山間の集落にある親戚の家に泊めてもらったのだという。
その親戚は猟師をしていたが、その時は物忌みをして山に入っていなかった。
ヒヒサルを殺してしまったからだそうだ。

日本に狒々がいるのかと驚いて尋ねると、ヒヒサルというのは狒々のことではなく、
歳経た古猿が化けた妖怪を指す言葉で、その谷独特の呼び名だという。
ただのヒヒとも、またオニサルとも呼ぶそうだ。
ヒヒは鉄砲で射抜いても死なず、山の獣を食い尽くして最後には自ら滅ぶという。
一種の猿神ともいえるので手を出せずにいたが、集落の赤子をさらったことが
きっかけとなり、ヒヒが現れると速やかに滅ぼすことになったらしい。

武器ではヒヒを傷つけることはできないので、滅ぼす時は火を使う。
追い詰めたヒヒに、油を掛けて火をつけたのが彼だった。
山の神を殺したための物忌みと言う訳だ。
ヒヒが死ぬと、山荒れといって獲物がしばらく取れなくなるのだそうだ。

山菜だけの味噌汁をよそいながら、そう教えてくれたという。




70名無しのオカルト 2009/02/26(木) 02:22:55 ID: ID:CNWAGFNo0

373 名前: 雷鳥一号 03/11/29 23:11

知り合いの話。

もうずっと前の話だが、村はずれの山に猿使いのお爺さんが住んでいた。
猿をまるで召使のように使いこなし、仕事やお使いをさせていたらしい。
誰からともなく、その家の者を猿使いと呼ぶようになったのだという。
その一族は、代々猿を使役していると伝えられていた。

知り合いがまだ子供の頃、父親と一緒にお爺さんを訪ねたことがあるという。
お爺さんは手土産の日本酒を受け取ると、猿にそれを渡して早口で何か伝えた。
少しすると屋敷の奥から、猿が熱燗につけた酒とつまみを持って来た。
親子で驚き感心していると、お爺さんはぶっきらぼうに言った。

これは飛猿といってうちの家に伝わる呪法みたいなもんだ。
良くねえことだ。

しばらくして、お爺さんは亡くなった。
いつも傍に控えていた猿は、いつの間にかいなくなっていた。

お爺さんは、山奥の無縁墓地に葬られた。
守をする人などいないはずなのに、墓はいつもきれいに掃除されていたという。
つい最近まで、命日になるとその墓に花とビワの実が奉げてあったそうだ。





71名無しのオカルト 2009/02/26(木) 02:24:07 ID: ID:CNWAGFNo0

374 名前: 雷鳥一号 03/11/29 23:19

見ての通り、ヒサルキとはまったく関係のないお話となっています。
知り合いがヒサルといっていただけで、本当はトビザルかヒエンという呼びなのかもしれません。
猿の知能を上げる何かの術なのかも。

なんと言いますか…この話が本当にあったことだとすると、この猿の
その後を考えると落ち込んでしまう自分がいるのです。
猿にも戻れないし、かといって人間には当然なれません。
知能がついたのはいいが、他人を疑うだけの知能が果たしてあったのか。

いろいろ考えるとブルーになるので、よくできた作り話だなぁ、と
考えるようにしていますです。弱弱な私。




引用元:∧∧山にまつわる怖い・不思議な話Part41∧∧
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この記事へのコメント

 コメント一覧 (2)

    • 1. 名無しのオカルト
    • 2020年11月24日 18:19
    • 最後のレスがなんかこっちもしみじみきちゃうなぁ。
      そのお猿の行く末を思うとなんとも哀れと言おうか切ないと言おうか‥‥
      その爺さまのお墓がいつも手入れされお供え物もあったというのは、後に残されたその飛猿とやらがしてたのかな。
      だとすると、爺さまは「よくない術だ」と言ってはいたけれど、そのお猿とはあたたかい絆を結んでいたのかな。
      そうだったら少しは救われる気がするよ。
    • 0
      occlut_soku

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    • 2. 名無しのオカルト
    • 2020年11月24日 22:08
    • Х 即行で帰途に着いたそうだ。
      〇 即行で帰途に就いたそうだ。
    • 0
      occlut_soku

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