【短篇集】山の怖い話『山鳴りと藪』『返事をしなくては』『たのまれたので かきました』【雷鳥】

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92名無しのオカルト 2009/02/26(木) 02:55:46 ID: ID:CNWAGFNo0

574 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 03/12/06 00:21

知り合いの話。

飼い犬を連れて実家近くの里山を歩いていた時のこと。
いきなり山鳴りがして、地面が大きく揺れ始めたのだという。
地震に弱い彼は思わず地に這いつくばったが、なぜか犬は平然とした顔をしている。
青い顔をしている飼い主を、犬は小首をかしげるようにして見ていたが、
すぐに藪へ向かって吠えたてた。

唐突に地震は止まり、藪の中を何かが遠くに逃げていく音が聞こえた。
犬は何事も無かったかのようにあくびをしていた。

彼はその晩、犬に骨付き肉を振舞ったのだそうだ。




 

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93名無しのオカルト 2009/02/26(木) 03:02:14 ID: ID:CNWAGFNo0

594 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 03/12/07 02:18

知り合いの話。

仕事で山林の手入れをしている時のこと。
どこからか奇妙な調子で、おーいと呼ぶ声が聞こえたのだという。
くり返し呼ぶその声を聞いているうちに、なぜか返事を返さなければならないという気持ちになったのだという。
声を返そうとした途端、先輩がひどく怖い顔で静止した。

 やめろ。憶えられたら家までついてくるぞ。

問うてみると、正体は分からないが、返答した者に取り憑く類いの怪らしい。
仕事を終わって帰る時も、まだその声は聞こえていたそうだ。




107名無しのオカルト 2009/02/26(木) 17:58:10 ID: ID:CNWAGFNo0

595 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 03/12/07 02:19

知り合いの話。

渓流釣りをしている時、樹木に覆われ隠れているようになった淵を見つけた。
そこで彼は、不思議な沢蟹を見つけたのだそうだ。

甲羅に見たことのない模様があり、たくさんの卵を腹に抱えていた。
見ていると卵は仔蟹になって、すぐに母蟹を食い尽くしてしまう。
蟹たちはみるみる大きくなり、やがて共食いをし始めた。
最後に残った一匹が、またたくさんの卵を産み始める。
この不思議な流れが、ビデオの早送りのように延々と繰り返されていた。

我に返って淵から出たが、意外にもほとんど時間は経っていなかった。
不思議なことに、腕時計以外の身に付けた金属が、薄く錆をふいていた。




108名無しのオカルト 2009/02/26(木) 17:58:51 ID: ID:CNWAGFNo0

596 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 03/12/07 02:20

知り合いの話。

冬山で遭難した登山者が見つかった時のこと。
捜索隊に加わっていた人から、こんな話を聞いたという。

遭難者はメモ帳に、死ぬ寸前まで日記をつけていたらしい。
日記の最後の方は飢えと寒さのためか、字が乱れていて読めたものではなかった。
しかし日記の最後に書かれた二行の文章だけは、はっきりと読むことができた。

 おとうさん おかあさん もうかえれません ごめんなさい
 たのまれたので かきました

まるで子供が書いたような下手な字で、平仮名だけが使われていた。
字は強い筆圧で書かれており、遭難者の書いた字体とは明らかに違っている。
遺族にメモ帳を渡す時には、最後の一行は破りとったということだ。




109名無しのオカルト 2009/02/26(木) 17:59:18 ID: ID:CNWAGFNo0

621 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 03/12/07 23:30

友人の話。

夜の峠道を車で走っていた時のこと。
いきなり誰もいない後部座席に、何かの気配が湧いたのだという。
その道は出るという噂があったので、思わず緊張してしまったそうだ。
嫌だったが、恐る恐るルームミラーを覗き込んだ。

後部座席一杯に、大きな牛がくつろいでいた。
最初は全体が目に入らず、牛だとは分からなかったらしい。
仰天して振り返ると、そこには何もいなかった。
しかしルームミラーには、相変わらずシートを舐めている牛が映っている。
どうしたらよいか分からず、そのまま車を走らせた。

峠道を下りきる頃、ふっと気配が消えたのだという。
ルームミラーには既に何も映っていなかったそうだ。




110名無しのオカルト 2009/02/26(木) 18:09:48 ID: ID:CNWAGFNo0

622 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 03/12/07 23:31

後輩の話。

関西地方の、ある峠道をバイクで流していた時のこと。
後ろから何かが猛スピードで追いかけてくるのに気がついた。
ライトも点けずエンジン音も聞こえない。

慌てて路肩にバイクを止めてやり過ごそうとした。
すると彼のすぐそばを、非常に大きな光る牛が走り抜けたという。
牛は見事なコーナリングでカーブを曲がり消えたそうだ。
ちなみにいうと和牛だったらしい。




111名無しのオカルト 2009/02/26(木) 18:10:14 ID: ID:CNWAGFNo0

624 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 03/12/07 23:33

友人の話。

キャンプ地で竃を組んでいる時のことだ。
手頃な石を探して歩いていると、何も無い場所で思い切り顔をぶつけてしまった。
驚いて確かめてみたが、そこには何も見当たらない。
空間を撫で回している彼を怪訝に思ったのか、メンバーの一人が近寄ってきた。
彼も同じ場所で、何か壁のようなものに思い切り顔からぶつかった。
何だ何だと思って二人で調べたが、やはり何も見つからない。

そのままでは癪に障るので、他メンバーを一人一人そこに呼んでみたのだという。
全員が見えない壁に、一回だけ顔面をぶち当てることになった。
見えない壁の正体は不明のままだが、皆にえらく怒られたそうだ。




112名無しのオカルト 2009/02/26(木) 19:18:34 ID: ID:CNWAGFNo0

650 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 03/12/09 01:19

後輩の話。

彼は林道をバイクで走破するのを趣味にしている。
その日、彼は新しいルートを開拓しようと初めて走る道に突入した。

しばらく山の中を走ると、道端の木立の中に朽ちかけた道標が残っていた。
それによると、どうやらこの先には小さな集落があるらしい。
道の具合からしておそらく廃村だろうなと考えていると、道標の下に板が落ちて
いるのに気がついた。
何かの看板のようで、赤いペンキで汚い字が書かれていたという。

 ×ヒトキンシ×

意味不明の悪戯だとは思ったのだが、そこから先は引き返したそうだ。




113名無しのオカルト 2009/02/26(木) 19:33:33 ID: ID:CNWAGFNo0

651 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 03/12/09 01:23

知り合いの話。

深い山奥を歩いている時のこと。
その時彼は道を見失い、尾根に向かって歩いていた。
少し開けた場所にさしかかった時に、足がいきなり地面を踏み抜いてしまった。
どうやら樽らしき物が埋められていたらしく、落とし穴のようになっていたのだ。

必死で足を引き抜くと、その隙間から中がぼんやりと見えた。
何か黒い物が足を抱えて座っていた。
大人くらいの大きさの骨だった。

土葬の墓地に迷い込んだことを悟った彼は大いに慌て、穴を元通りに塞ごうとした。
塞ぐ直前、日の光が一瞬穴に差し込み、骨の様子がはっきりと見えたという。
そのしゃれこうべには、角が三本生えていた。

気がつくと知っている尾根に出ていた。
どうやってそこまで逃げてきたか、まるで覚えていなかった。
帰ってくるとすぐに、彼は御祓いに行ったのだそうだ。




引用元:∧∧山にまつわる怖い・不思議な話Part41∧∧
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この記事へのコメント

 コメント一覧 (2)

    • 1. 名無しのオカルト
    • 2020年12月01日 18:23
    • 111(624)のは塗壁か。
    • 0
      occlut_soku

      occlut_soku

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    • 2. 名無しのオカルト
    • 2020年12月02日 23:29
    • 雷鳥のは語りが面白いな。訥々と語って端的なのに味がある
      しかし牛かよ。

      犬のはあれだな、あくびをするというのは実は緊張状態にあったという事だから人間からした視点とまた違うのかね。
      首をかしげるのも犬としては懸命に言葉の意味を探ろうとしているのでニュアンスがちがってくる
    • 0
      occlut_soku

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