すれ違いざま、女の子の顔を見た。卒倒しそうになった。肌の色まで真っ紫だったのだ。顔の皮膚、腕の皮膚、足の皮膚、全てだ。

このエントリーをはてなブックマークに追加

引用元: ・死ぬほど洒落にならない怖い話を集めてみない?287

874: 本当にあった怖い名無し 2012/01/11 12:57:02 ID:1SS1xqKP0

この話を人に話す時、「確かにその話、滅茶苦茶怖いけど、本当かよ?」と結構言われる事がある。
よっぽど霊が出てくる様な話の方が、逆に現実味があるからだ。これは俺が実際に体験したそんな不思議なお話です。

俺が小学5年生だった頃の朝、いつのも様に、自分の家の近所の2人の同級生達と、学校に登校する為に登校路を歩いていた。
しばらく話しながら歩いていると、前方を歩いている2人組の女の子が視界に入った。
1人は自分と同じクラスの同級生、もう1人は別のクラスの女の子である。

俺は同じクラスの女の子の方に目が釘付けになった。「全身、真っ紫」なのである。
「真っ赤」とか「真っ青」とか「真っ黄色」等と言う言葉はあるが、「真っ紫」と言う言葉はないと思う。
が、どういう状況を見たかと言うと、頭の先の髪の毛から体全体の服、靴までの全身が、紫色のペンキを頭から被った様に「真っ紫」なのである。
普段からそんな奇抜な格好をしている子等と言う事はなく、普通の女の子である。
普通なら「おい、あれ見ろよ!!」と一緒に歩いてる同級生の2人に話しかけるのであろうが、
なぜか「話してはならない」と言うか、話したくても言い出せない、口を開こうとしたら言い知れぬ恐怖感が襲ってくる様な、
金縛りの軽い感じの様な不思議な不快感を俺は感じていた。

俺と一緒に歩いている同級生2人も、確実にその紫の女の子は視界に入っている距離だ。だが何も言わないし指摘もしない。
普通にゲームの話等をして盛り上がっている。そして、もはや前方の女の子2人を追い越す距離までに近づいた。何も言わない。おかしい。
すれ違いざま、女の子の顔を見た。卒倒しそうになった。肌の色まで真っ紫だったのだ。顔の皮膚、腕の皮膚、足の皮膚、全てだ。
思わず悲鳴を上げると、女の子2人が「おはよう」と挨拶をしてきた。「おー」と同級生2人が返事を返す。俺だけ引きつった顔をしている。
やはりおかしすぎる。誰1人として、女の子の全身が紫な事に一切触れないのだ。「お前何驚いてるんだ?」と怪訝な表情の同級生2人。
ドッキリか?とも思ったが、いくらなんでもこんな手の込んだドッキリをする意味は無い。その時初めて「自分以外には見えてないのだ」と思った。



オカ速おすすめ!

875: 本当にあった怖い名無し 2012/01/11 12:58:02 ID:1SS1xqKP0

ドッキリでは無い事は、教室に入ってからいっそう確信する事になった。
他の同級生達も、一切その女の子が紫な事には触れず、普通に話している。
極めつけは出席を取る際や、授業が始まった時だ。担任の先生すらも一切その事に触れない。他の人たちには見えていない事を確信した。
その日はもう、俺の頭の中は「???」で一杯だった。授業中も上の空、給食や休み時間も上の空である。
「あいつ何で紫なんだ?」と同級生に聞けば言いのだが、先程も書いた様に言い知れない程の「この事に触れてはいけない」と言う様な、
本能的なおぞましさを感じて言い出せなかった。ましてや当人の女の子に直接聞く様な事は出来なかった。

そして下校直前の掃除時間の事である。グループごとに分かれて校舎内の様々な場所を掃除するのだが、
自分のグループが割り当てられた場所は、校舎の裏庭の方の少々薄暗い区画だった。
例の紫の女の子も同じグループだった。俺の目の前には、全身紫のその子が箒でゴミをはわいている後姿が見える。
周囲には俺とその子しかいなかった。聞くなら今しかない。「なん」「なんで」「な・・・」
言い知れぬおぞ気が言葉をどもらせ、質問を躊躇させ、口がうまく開かない。そしてとうとう好奇心が恐怖心を凌駕した。


876: 本当にあった怖い名無し 2012/01/11 12:58:32 ID:1SS1xqKP0

思い切っていっそうその女の子に近づき、「何で今日は全身紫なの?」と聞いた。

その瞬間、女の子が体全体でこちらに向き直り、

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

と飛び出さんばかりに眼球を開き、顎が外れんばかりに口を開き、いつもの女の子とはとても思えない鬼女の様な真っ紫の表情で絶叫していた。
俺もたまらず絶叫し、箒を放り投げて教室に駆け戻った。
やがてチャイムが鳴り、掃除時間は終わり俺は机に座っていたが、その間教室でどう過ごしたかはまったく記憶にない。
ホームルームが終わり、下校の時間になると、とにかく早く家に帰りたかった。
毎日一緒に下校する友人はその日クラブ活動があり、今日は自分1人で帰る日だった。
下駄箱に通じる廊下を歩いていると、前方から例の紫の子が友人2人と歩いてくるのが見えた。
その子もクラブ活動に行くのであろう、体操服を来てこちらに歩いてくる。
視線を合わせないように小走りにすれ違おうとすると、その子がすれ違いざまに

「モウキカナイデネ」

とボソッと言った。「もう聞かないでね」ではなく、宇宙人やロボットの真似をする時の様に、
抑揚の無い声で「モウキカナイデネ」と言った。俺は走って校舎を飛び出した。どう帰ったかも覚えていない。


877: 本当にあった怖い名無し 2012/01/11 12:59:16 ID:1SS1xqKP0

家に帰ると、ゲーム等をしたりしてその事をなるべく考えないようにした。
晩御飯を食べ終わるくらいまでは、それなりに楽しく過ごした。が、布団に入って寝る段階になって再び恐怖感が襲ってきた。
「もし明日も紫だったらどうしよう・・・」と思うと、学校に行くのが憂鬱になってきた。親にも話せない。
ノイローゼになるかもしれない。憂鬱な気分のまま、その日は眠った。

翌朝のいつもの登校中。また例の女の子とその友人の後姿が前方に見えた。
女の子は普通に戻っていた。安堵した瞬間、なぜか涙が出てきた。一緒に登校している同級生たちに不思議がられ、
からかわれながらも、嬉しくてしばらく涙が止まらなかった。
女の子とすれ違う瞬間も、まだ少し恐々とした気持ちで顔を覗いたが、皮膚の色も通常に戻っていた。
「おはよう」「おはよう」と普通に挨拶をかわした。

以後、卒業するまでその女の子が再び全身紫になる事は1度もなかった。あの日の事も2度と聞く事はなかった。
一体あれは何だったのか?「もう聞かないでね」と言ったと言う事は、
少なくとも女の子自身も紫色になっている自分を自覚していたと言う事なのだろうか・・・
この話は、思い出すだけでもトラウマだった話であり、その後もたまに夢でも悪夢として何度も出てきていた。
ようやく最近になって、様々な環境や価値観の変化、時の問題もあるかもしれないが、ようやく人に話せるようになった封印していた話である。
紫色になった女の子も、今は結婚して幸せに暮らしているようだと、人づてに聞いた。

今でも、街でもたまに見かける、白髪を紫色に染めたお婆さんなどを見たらドキッとするし、
X-MENと言う映画に出てくる、確かミスティークとか言う全身真っ青な女キャラも最初見た時、
あのトラウマが蘇り、当初途中で見るのをやめた程だった。

そんなお話でした。


このエントリーをはてなブックマークに追加

オカルト速報特選!

PICKUP!

この記事へのコメント

 コメント一覧 (5)

    • 1. 
    • 2013年03月27日 14:55
    • アバター?
    • 2. 
    • 2013年03月27日 18:34
    • 本能で危ないと感じた話を友達に言いまくるとか。笑
    • 3. 
    • 2013年03月28日 10:05
    • この地球は人類だけのものでもなかった。
      というか、宇宙人もいるらしい。
    • 4. 新宿駅
    • 2014年03月14日 14:19
    • 真紫ですか・・・私は新宿駅南口で真っ黄色の女性を見たことがあります。
      同じような事ですが、私も視界に入った時は何かのイベント?化粧だと思いましたが、すれ違いがう時にガン見まるでシンプソンズの、漫画から出て来そうな(ドォ!)ほど真っ黄色!!回りの人は気付いていない。一体何だったんだろう・・・
    • 5. 名無しのオカルト
    • 2016年04月27日 15:49
    • 私も見た事があります。でも髪の毛は黒で顔だけ真っ紫です。アザや火傷の痕で一部分が紫と言う感じじゃなく、顔全部真っ紫でした。紫色と言うよりこんな表現しないと思いますが、まさに真っ紫でした。
      ドラゴンボールで紫色が使われているような濃い紫色です。
      40代~50代位の女の人でした。黒のコートを着てて顔しか見えなかったです。
      名古屋の百貨店の外に椅子が置いてあり、その椅子に腰かけて何気なく道行く人を見てたら、思わず、えっと二度見してしまいました。
      この世の者とは思えない様な肌でした。もし私が火傷やアザができてたら、マスクで顔を隠すのに、この人は顔全部真っ紫なのにマスクもしないし、マフラーで顔を覆うこともせず偉いなーと思ってました。
      人々は振り返ることもせず、普通に通り過ぎてました。
      それは余りじろじろ見てはいけないという気づかいだと思いました。
      今から2~3年前の出来事です。

コメントする

コメントフォーム
記事の評価
  • リセット
  • リセット

ギャラリー
  • 【オカルト談義】まさか矢追純一と大槻教授のバトルで矢追純一が勝つとは思ってもいなかった
  • 【オカルト談義】本当は怖い?? スピリチュアル。あるスピリチュアル会社を調べたら出るわ出るわ……
  • 【オカルト談義】みんなが信じていたUMAの思い出『正体が虫って……』『蛇か猫か』『チュパカブラというネーミングセンス』
  • 【画像あり】昭和のオカルト・超常現象の思い出 『開運・強化グッズ』『Mr.マリック』『バミューダトライアングルの謎と真実』
  • 【画像あり】昭和のオカルト・超常現象の思い出 『開運・強化グッズ』『Mr.マリック』『バミューダトライアングルの謎と真実』
  • 【画像あり】昭和のオカルト・超常現象の思い出 『開運・強化グッズ』『Mr.マリック』『バミューダトライアングルの謎と真実』
最新コメント
オススメ記事(外部サイト)
お問い合わせ
オカルト速報へのお問い合わせはこちらのフォームからお願い致します。
スポンサードリンク
記事検索
タグ絞り込み検索
アーカイブ
RSS & ソーシャルリンク

オカルト速報RSS オカルト速報Twitter

スポンサードリンク