同級生だったあの子

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53: 本当にあった怖い名無し 2012/08/09(木) 17:13:40.15 ID:VQYJ/AYS0

小中学校時代、辺鄙なところに小さな住宅街と5階建てくらいのアパートが建ってる地域があり
同じ学区ということで、そのエリアからも数人が登校していた。

たまたま同じクラになった女の子も、そのエリアに住んでいた子だった。
今思い返すと、顔立ちから半島の人だと思う。
他の地域から登校して来る子にも半島の人が数人いて、通名ではなく本名だったし、全く抵抗も
なく、普通に遊んでいた。

それから十数年
同窓会があるということで久々に卒業した学校付近へ行くことに
俺は前日入りして、レンタカーを借り故郷をぐるっと回ってみた
子供の頃は広く感じた世界だったが、今になって巡ってみると、あっと言う間に見終わるほど狭い地域だ。
俺も小さかったから、こんなもんか・・・なんて思いながら走っているが、ただ、前述したその子の住んでた
エリアがどうしても見つからない。
このときに限って気になって仕方がなかったため、公園の駐車場に車を止め、歩いて学校まで行き、
そこから記憶を辿ってあるいてみたが行き着かないのだ。
校門を出て右左、ここがクラスで一番可愛かったこの家(があった場所)、ここに駄菓子屋(クリーニング店に)、
この小さな公園を過ぎてしばらく歩いて、左に曲がってまた歩けば・・・・・
と思ったら、小高い丘に突き当たり、昔住宅があった面影すら無い場所になってる。
建物は新しくなってるが、住宅地の道路だし幅員が少し広くなった程度で、記憶に間違いは無いはず。
3往復ほどしたが、どうしてもたどり着かないし、レンタカー返す時間もあったことから引き返すことに。

で、その夜(同窓会の前の日)は、幹事連中が気を利かせてくれて、県外転出者の数人に声をかけ
プレ同窓会を開いてくれた。
当時付き合ってた彼女(といっても所詮中学生レベルだが)も来て、飲んだくれて昔話に花が咲き
楽しい時間をすごした。
見つからないエリアの件は気になったが、話題が多すぎて話すチャンスも無く結局聞けないまま
その日は終了した。


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80: 53 2012/08/10(金) 09:28:58.86 ID:D7g304Gd0

同窓会当日

午前中は時間があったため、どうしても気になったあの地へタクシーで学校まで向かい、
そこから再度歩いてみるが、やはり小高い丘に突き当たって終わる。
小高い丘は鬱蒼とした雑木林で高さも10数m程度か?
難無く登れる高さだが、工事予定のためか周囲に柵があり入れない。
付近を歩くと、丘の上には白い古びた平屋っぽい建物が見えた。何かの管理棟かな??
丘の上に建物が建ってるし、やっぱりここは最初から丘で俺の記憶違いなのか・・・
と思いつつ、モヤモヤした気持ちを引きずりながら、タクシーを呼び繁華街へ戻った。

同窓会は、久々に集まった連中と楽しく過ごし、懐かしい思い出話に華を咲かせながらあっという間に
一次会は終了。二次会、三次会と夜通し飲み明かすことになったのだが、三次会の席で、あの地域の
話を切り出せそうな流れになったため、現地に行ったことを話してみた。


81: 53 2012/08/10(金) 09:57:45.48 ID:D7g304Gd0

旧友から聞いた真相はこうだった。
確かに小さな住宅街と4階建て(5階は俺の記憶違い)のアパートがあった。
俺が引っ越して数年後、集中豪雨であの地に地すべり・土砂崩れが発生し、10件ほどあった住宅街が
飲み込まれた。
丘の上に見えてた管理棟らしき建物は残されたアパートの最上階だという。

歴史的経緯はこうらしい
戦中、炭鉱で働いていた半島の方々が半ば違法に住み着き、住宅街を形成した。
徴用されたこともあり、正規の手続きで国内残留することもできたため、いわゆる通常の市民生活が
でき、そのため子供たちも学校に通うことができたようである。
無理な違法造成を自ら行い、違法建築を行いコロニー形成したが、前述の通り土砂崩れで壊滅
警察・消防の捜査も、土地を奪い返されることを恐れ、徹底抗戦し排除。
未だに丘の下には数十名が眠っているそうだ。
そして同級生だったあの子も眠っている。
彼女が居なかった理由もこれで分かったし、複雑な背景があったことから、みんな口にしなかった
理由も察した。

あの子は俺の事が好きだったらしく、俺が引っ越した後、友人に対し「また会える機会が会いたい」
と何度も行ってたそうだ。
その友人も「同窓会あるときには呼ぶから、思いをぶつけてみなよ」と冗談めかして言ってたそうだ。

同窓会の帰郷とは言え、気になって何度も足を運んだあの小高い丘。
今になって思えば、彼女の思いが俺をそうさせたのかもしれない。
明日(といっても今日だが)帰る前に花でも手向けて帰ろうかと話したら、「止めた方がいい」と。


82: 53 2012/08/10(金) 11:12:59.97 ID:D7g304Gd0

アパートの最上階にはまだ3世帯ほどが住んでいる。
あの付近をウロウロすると、よそ者を排除するために得物を持って威嚇したり、時には暴力を
振るわれることもあるという。
丘の周辺をウロウロした事を細かく話すと、よく無事に帰ってこれたと感心された。
今では警察・行政ともに黙認状態で、住人が根を上げるのを待っているとも言われてるらしい。

とは言え、このまま帰るとモヤモヤ感が残る。
飲み屋街で花を買い、朝一番でタクシー飛ばしてあの丘へ。
花を手向けられそうで、あまり目立たないところを選び、供えて手を合わせると、ふっと目の前に
人影が。
「ヤバイ!」と思ったが、いきなり「○○君だね」と呼びかけられた。
よく見ると俺と同い年(40歳?)くらいの普段着の女性で、べつに襲い掛かってくる様子も無い。
てか、何で俺の名前知ってるんだ??
色々混乱してると、その女性「これをあなたに」と一枚の封筒を俺に渡す。
恐る恐る受取り、もう一度女性の顔を見ると、右頬の辺りから耳にかけて傷跡があった
そして彼女は「昨日も来てたでしょ?もう近寄らないように。ここの事は忘れて」と。
混乱で何を話していいか分からず、迷っていると「同窓会は楽しかった?みんなと仲良くね」
と言って、雑木林の奥に消えていった。
何かを見透かされているような不安感からか、心臓の大きな鼓動が止まらず、パニック状態
だったがタクシーを呼びとりあえず駅方面へ戻り、スタバに入り、コーヒーを空け気を落ち着け
てみた。
そして彼女から受け取った封筒をあけた。
「次はきっと帰さない。だから二度と来ないで」と書いてあった。

あれから4年
オリンピックイヤーに同窓会を開催することとなったため、今年の秋にまた帰郷する予定。
あの時、心残りのままな俺は多分、あの丘に足を運ぶと思う。


引用元 : ほんのりと怖い話スレ その87


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 コメント一覧 (1)

    • 1. 
    • 2013年02月15日 03:08
    • 政治的な話でもある

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