手だ。明らかに手がある。 自分のでも、友人のでもない。子供の手だ。
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死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?239
死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?239
963: 本当にあった怖い名無し 2010/04/13(火) 11:32:20 ID:uy6VQGisO
昨日も書き込んだ、北海道北部の者だが、話しをもう一つ。
自分が住んでいる町から車で一時間程走ったところに廃校がある。
町でも有名な心霊スポットだ。
ある年の夏の日、自分は友人を誘ってそこへ向かった。
夜なのに蒸し暑かったのを覚えてる。
廃校の近くまでは車で行けるが、土地は手入れもされていないので、後は徒歩。
腰の高さまで生い茂った草、じめっとした纏わり付く空気、蛙の鳴き声。
5分程歩いただろうか、廃校が見えた。気味が悪い。正に田舎の廃校といった感じだ。
「行くか」
懐中電灯の明かりが、入口を見つけた。
が、板が打ち付けられていて、入れない。
やむを得ず他の入口を探していたら、教室だろうか、窓が割れている。
そこから入る事にした。
自分が住んでいる町から車で一時間程走ったところに廃校がある。
町でも有名な心霊スポットだ。
ある年の夏の日、自分は友人を誘ってそこへ向かった。
夜なのに蒸し暑かったのを覚えてる。
廃校の近くまでは車で行けるが、土地は手入れもされていないので、後は徒歩。
腰の高さまで生い茂った草、じめっとした纏わり付く空気、蛙の鳴き声。
5分程歩いただろうか、廃校が見えた。気味が悪い。正に田舎の廃校といった感じだ。
「行くか」
懐中電灯の明かりが、入口を見つけた。
が、板が打ち付けられていて、入れない。
やむを得ず他の入口を探していたら、教室だろうか、窓が割れている。
そこから入る事にした。
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964: 本当にあった怖い名無し 2010/04/13(火) 11:44:41 ID:uy6VQGisO
よじ登り、侵入する。
明らかに空気が違う。一瞬動きが止まった。
特有のカビ臭さ、倒れた机や椅子。
そんなんじゃない。
空気がどんよりと重い。
ジメジメした熱さに、ひんやりとした汗が垂れるのがよく解る。
ごくりと息を飲む。
教室内は、荒らされている。明らかに誰かが荒らした跡だ。
スプレーの落書き、空き缶、タバコの吸い殻。
廊下にでる。この廃校は幾つかの教室、小さな体育館、便所が一カ所、規模は小さい。小学校だ。
一通り、教室は見回ったが、どこも同じような感じだ、安心する反面、正直腑抜けた。
「ここで最後か」
体育館だ。
後悔した。こんなとこ来るんじゃなかった。
明らかに空気が違う。一瞬動きが止まった。
特有のカビ臭さ、倒れた机や椅子。
そんなんじゃない。
空気がどんよりと重い。
ジメジメした熱さに、ひんやりとした汗が垂れるのがよく解る。
ごくりと息を飲む。
教室内は、荒らされている。明らかに誰かが荒らした跡だ。
スプレーの落書き、空き缶、タバコの吸い殻。
廊下にでる。この廃校は幾つかの教室、小さな体育館、便所が一カ所、規模は小さい。小学校だ。
一通り、教室は見回ったが、どこも同じような感じだ、安心する反面、正直腑抜けた。
「ここで最後か」
体育館だ。
後悔した。こんなとこ来るんじゃなかった。
965: 本当にあった怖い名無し 2010/04/13(火) 11:56:45 ID:uy6VQGisO
やや重い鉄の扉を開き、体育館に入る。
散乱した、空気の抜けたボール。落書きがひどい。
「まずい、帰ろう。」
友人が言う。
「気持ち悪い。」
どうしたと聞いた。
友人はカタカタと奮え、何かいる。と言う。
辺りを見回すが、自分には見えなかった。しかし、友人の常ではない様子を見て、自分も急に怖くなった。
「…帰ろう。…帰ろう。」
友人は、腰を抜かしその場に座り込んでいたので、肩をかそうとしたその時だった。
友人の肩に何かが乗っかっている。
すぐに解った。手だ。明らかに手がある。
自分のでも、友人のでもない。子供の手だ。
散乱した、空気の抜けたボール。落書きがひどい。
「まずい、帰ろう。」
友人が言う。
「気持ち悪い。」
どうしたと聞いた。
友人はカタカタと奮え、何かいる。と言う。
辺りを見回すが、自分には見えなかった。しかし、友人の常ではない様子を見て、自分も急に怖くなった。
「…帰ろう。…帰ろう。」
友人は、腰を抜かしその場に座り込んでいたので、肩をかそうとしたその時だった。
友人の肩に何かが乗っかっている。
すぐに解った。手だ。明らかに手がある。
自分のでも、友人のでもない。子供の手だ。
967: 本当にあった怖い名無し 2010/04/13(火) 12:13:01 ID:uy6VQGisO
まずい。
自分は友人を抱き抱え、体育館の出口に向かった。
体育館から出て、すぐに扉を閉めようとした。
狭くなる体育館の景色の最後に、それはいた。
頭の、顔のでかい子供だ。月の明かりが透けて見えた。左右の長さの違う手。短い足。
あくまで、想像だが、師匠シリーズの「ともだち」に出てくる化け物のような感じだ。
友人を抱えながら、死にもの狂いで廃校を抜け出した。車までの距離が、いやに遠い。
自分の心臓の音、友人のぐずる声、吐息がよく聞こえる。
急いで鍵を開け、車に乗り込み、車を出した。
友人は、車の中でゲーゲー吐いている。
本来なら、怒鳴り込むが、今は状況が状況だ。
何分走っただろうか、見慣れた景色が見えた頃には、友人は落ち着いていた。
「すまん、吐いた。」
「いや、いいよ。」
途中でコンビニに寄り、水を買った。自分は一気に飲み干す。
友人は口を濯いでいた。
「吐いたから、腹が減った。ラーメン食いに行こう。」
自分は友人を抱き抱え、体育館の出口に向かった。
体育館から出て、すぐに扉を閉めようとした。
狭くなる体育館の景色の最後に、それはいた。
頭の、顔のでかい子供だ。月の明かりが透けて見えた。左右の長さの違う手。短い足。
あくまで、想像だが、師匠シリーズの「ともだち」に出てくる化け物のような感じだ。
友人を抱えながら、死にもの狂いで廃校を抜け出した。車までの距離が、いやに遠い。
自分の心臓の音、友人のぐずる声、吐息がよく聞こえる。
急いで鍵を開け、車に乗り込み、車を出した。
友人は、車の中でゲーゲー吐いている。
本来なら、怒鳴り込むが、今は状況が状況だ。
何分走っただろうか、見慣れた景色が見えた頃には、友人は落ち着いていた。
「すまん、吐いた。」
「いや、いいよ。」
途中でコンビニに寄り、水を買った。自分は一気に飲み干す。
友人は口を濯いでいた。
「吐いたから、腹が減った。ラーメン食いに行こう。」
969: 本当にあった怖い名無し 2010/04/13(火) 12:20:06 ID:uy6VQGisO
あの廃校では、事故や事件が起きて人が死んだという話しは聞かない。
あれはなんだったのかは、全く解らない。
だがあれは二度と見たくない。
ラーメンを食べ終わったあと、車の窓を全開にして洗車場に向かった。
以上です。
あれはなんだったのかは、全く解らない。
だがあれは二度と見たくない。
ラーメンを食べ終わったあと、車の窓を全開にして洗車場に向かった。
以上です。
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