…そいつは俺の事をひたすらジッと見てた。 真っ白い顔を首だけ90度起こして。

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573: その1 2011/08/08(月) 01:13:36.69 ID:767eKrCK0

俺も小学生の時の自分の話をひとつ

当時、犬を飼ってた俺は日課の散歩に出かけた。
見たいテレビをみてから出かけるのが常だったので
その日も陽が暮れて、辺りはすっかり暗くなってたと思う。

当時の家は郊外にあったので雑木林や竹林も多く
慣れない人にはそうとう寂しく感じるであろういつもの散歩道。
そこを小走りで2~30分かけて家に戻るのが常なのだが
雑草がうっそうと茂った野原の一本道に通りかかった時の事。



オカ速おすすめ!

574: その2 2011/08/08(月) 01:15:38.34 ID:767eKrCK0

犬が突然茂みの方にグワッと俺を引っ張った。
何事かとそっちを見ると草原の中から足が二本、ニョキッと
道路に向かって飛び出していた。

サラリーマン風の男の足でグレーのスーツ、
裾の丈が短めで、すね毛まで確認できた。

最初はギョッとしたがしばらく見ても足はピクリとも
動かない。もしかしたら酔っぱらいかもしれないが
具合が悪くて倒れた人かもしれない。


575: その3 2011/08/08(月) 01:19:13.04 ID:767eKrCK0

色んな思いが頭の中をかけ巡って、
好奇心もあり、その足の主を確認しようと
草をかき分けて近づいてみた。

それは、マネキンの様に奇麗に横たわった人だった。
しかし生きてるか死んでるかは定かじゃない。
俺は足下からゆっくりと視線をその人物の顔の方に向けていった。

…そいつは俺の事をひたすらジッと見てた。
真っ白い顔を首だけ90度起こして。
無表情だけど目だけこぼれ落ちそうなくらい
見開いてこっちをガン見してた。


576: その4 2011/08/08(月) 01:21:44.24 ID:767eKrCK0

あまりの想定外の出来事に俺はその場から動けなくなった。
ちょっとでも動いたら「そいつ」が
襲いかかってきそうな気がしてその場に凍り付いてた。

どの位そうしてたのか。
「ワンッ」という犬の一声でハッと我に返った俺は
その場を一目散に逃げ出した。

50メートル程離れて振り返ったが誰も追ってくる気配は無かった。
勇気を振り絞って現場に戻ってみたがそこには誰もいなかった。
いま思い返してみても理不尽すぎて納得いかない出来事だ。


引用元 : 死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?275


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