引用元: ・ほんのりと怖い話スレ その101
792: 本当にあった怖い名無し 2014/04/05(土) 20:51:17.26 ID:hFHp1cbn0
「ほんのり初夏のこと」
初夏のとき、4人でドライブに出かけた
夜中に山中の田んぼ道の田舎を走っていた
左は山の斜面、右側に田んぼ畑が広がってた…
「○○だよな」「あー、アレ面白かったよな」
なんて会話ははずみ、窓は全開でトークは盛り上がっていた
タイミングよく合いの手打つが如く
“ホンマでんなあ~~”
って関西弁で山の真っ暗闇から、おっさんの声が聞こえた
初夏のとき、4人でドライブに出かけた
夜中に山中の田んぼ道の田舎を走っていた
左は山の斜面、右側に田んぼ畑が広がってた…
「○○だよな」「あー、アレ面白かったよな」
なんて会話ははずみ、窓は全開でトークは盛り上がっていた
タイミングよく合いの手打つが如く
“ホンマでんなあ~~”
って関西弁で山の真っ暗闇から、おっさんの声が聞こえた
一同シーンとして道の終わるところまで来て、
「今のなんだよ!?」って狭い車内で大騒ぎになった
「おっさんの声だったぞ」「何アレ…」みたいな
「確かめようぜ!」と言ったのは
運転手で大いに勇気のある男だった
「今のなんだよ!?」って狭い車内で大騒ぎになった
「おっさんの声だったぞ」「何アレ…」みたいな
「確かめようぜ!」と言ったのは
運転手で大いに勇気のある男だった
793: 本当にあった怖い名無し 2014/04/05(土) 20:51:57.02 ID:hFHp1cbn0
「やめようぜ」「怖いっ…」
「でも気になるだろ?」と勇気のある彼は、
隣で泣きそうになっている彼女の手を握ってハンドルを回す
後ろのとなりの席の友人はいつものように押し黙ったままだった
俺は最後まで「ヤバい、なにか悪い予感がする!」「やめといたほうがいい!」
ちょっと“わかるんだ”的な意味深なことを口走っていたと思う
無情にも車は例の暗闇へ誘う
ボソ・・・ボソ・・・ボソ 低い男のうめき声が聞こえてくる
「おい!もう引き返せ!!」と俺は半ば引きつった雄叫びを上げていた
そしてライトが照らす先にあった黒い物体が見えた
それは一台の「ラジカセ」
そこにはテープからエンドレスで流れる、浪花節みたいなやつの渋い男の声があった
たぶん農作業用にかけていたであろうそれは、フルボリュームでバックに三味線とか流れてたっけ…
「でも気になるだろ?」と勇気のある彼は、
隣で泣きそうになっている彼女の手を握ってハンドルを回す
後ろのとなりの席の友人はいつものように押し黙ったままだった
俺は最後まで「ヤバい、なにか悪い予感がする!」「やめといたほうがいい!」
ちょっと“わかるんだ”的な意味深なことを口走っていたと思う
無情にも車は例の暗闇へ誘う
ボソ・・・ボソ・・・ボソ 低い男のうめき声が聞こえてくる
「おい!もう引き返せ!!」と俺は半ば引きつった雄叫びを上げていた
そしてライトが照らす先にあった黒い物体が見えた
それは一台の「ラジカセ」
そこにはテープからエンドレスで流れる、浪花節みたいなやつの渋い男の声があった
たぶん農作業用にかけていたであろうそれは、フルボリュームでバックに三味線とか流れてたっけ…
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794: 本当にあった怖い名無し 2014/04/05(土) 20:52:28.85 ID:hFHp1cbn0
消し忘れテープみたいなやつで一様に安堵の息を漏らした
一番安心したのは俺で、正体がわかったからには! と真っ先に駆け寄った
「はは、なーんだ」とか言いつつ、ラジカセをいじくり回してた
その瞬間、その彼女が「○○君、後ろを見て!」って叫んだ
ビクッとなって振り向いたら、なんと月光に照らされた一面に広がる緑豊かな田んぼ畑に
どこまでも透き通るかの様な夜空に光る、何千匹のホタルの大群だった
もうすぐ夏を感じさせる涼しい風が吹いていた
まさに“静寂と光の幻影”
この光景はきっと一生忘れないだろう
一番安心したのは俺で、正体がわかったからには! と真っ先に駆け寄った
「はは、なーんだ」とか言いつつ、ラジカセをいじくり回してた
その瞬間、その彼女が「○○君、後ろを見て!」って叫んだ
ビクッとなって振り向いたら、なんと月光に照らされた一面に広がる緑豊かな田んぼ畑に
どこまでも透き通るかの様な夜空に光る、何千匹のホタルの大群だった
もうすぐ夏を感じさせる涼しい風が吹いていた
まさに“静寂と光の幻影”
この光景はきっと一生忘れないだろう
795: 本当にあった怖い名無し 2014/04/05(土) 20:52:59.40 ID:hFHp1cbn0
こんな素晴らしい景色がこの世にあるなんて、という深い感動と
嗚呼、俺はなんて恥ずかしい男なんだ…という自責の念だった
「綺麗ね」「ああ」とまるでホタルの様にカップルはお互いを更に引き寄せ合うように寄り添っていた
彼がより男前に見え、そして余計に“己の矮小さ”を感じた
帰り道、皆ずっと終始無言だったが、あれは感動への余韻だったのか俺への軽蔑だったのか
今でもわからないままだ
嗚呼、俺はなんて恥ずかしい男なんだ…という自責の念だった
「綺麗ね」「ああ」とまるでホタルの様にカップルはお互いを更に引き寄せ合うように寄り添っていた
彼がより男前に見え、そして余計に“己の矮小さ”を感じた
帰り道、皆ずっと終始無言だったが、あれは感動への余韻だったのか俺への軽蔑だったのか
今でもわからないままだ
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