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怖い話

【怖い話】『温泉ホテルの裏話』 ここまで聞いたMさんはハッとした。じゃあ、あの赤い服は……

編集・公開: オカルト速報
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midashi

50平井 2017/09/17(日) 01:34:37.83 ID: ID:9cuAANbN0.net

【第8話】『温泉ホテルの裏話』

(1/4)
友人の母親・Mさんは、以前某温泉地のホテルに勤めていたそうで、
ホテルの裏話を聞かせてもらえた。

そのホテルでは度々幽霊が目撃されていたが、
不思議と見えるのは従業員に限られている様で、
霊関係で宿泊客からのクレームは受けた事がなかったという。

まず、従業員全員が見ているのが大浴場の霊。
深夜に大浴場に行くと、黒い人影が複数入浴している。
特に何をされる訳でもないのだが、浴場の扉を開けると皆一斉に
こちらを振り返るので、とても入って行けないとMさんは話していた。
本来従業員は、仕事が終われば大浴場を使っても良いはずなのに、
誰一人この大浴場を利用する者はいなかったそうだ。

次に、女性従業員に目撃者が多かったのが大食堂の霊。
どんなに食堂が混雑している時も、何故か誰も座らない席があり
夜、食堂の電気を落とすと真っ暗なのにも係わらず
その席に白い服の男性が座っているのが見えるのだという。
男性は俯いて微動だにしない時と、ゆっくりと立ち上がる時があったそうだが
皆すぐに逃げ出すため、立ち上がった男性が何をするのかは分からないらしい。




 

51平井 2017/09/17(日) 01:37:26.05 ID: ID:9cuAANbN0.net

(2/4)
調理場にもよく出たそうだ。
勤務時間後に、誰もいない調理場から食器や調理器具を使う音が聞こえる事が続いた。
ネズミかも知れないと、板長が夜の調理場を確認しに行ったのだが
しんと静まりかえってネズミの気配もない。
おかしいな…と何気に1枚の皿を手にすると、
その皿が突然、独りでにガチャガチャと音を立て出した。
板長はビックリして皿を割ってしまったが、片付ける余裕もなく逃げ出したそうだ。

こんな怪異だらけのホテルだったが、
Mさんは普段から霊を視る方だったのですぐに慣れ、勤続5年ほどになった頃。
気が付くと、目の端にチラチラと赤い服が入り込んで来る。
そちらを見ても誰もいない。そんな事が頻繁に起こる様になった。
さすがに気味悪くなったMさんは先輩に相談したが、
何だか歯切れが悪く、のらりくらりとかわされてしまう。
しかも婉曲に退職を勧められ、憤慨したMさんは別の先輩に相談してみた。
しかしその先輩も同じ様に赤い服の霊については言葉を濁し、
「怖いなら辞めるって手も…」とMさんの退職を口にする。
今まで職場の人間関係は良好だと思っていたため、Mさんはかなり落ち込んだ。
それでも納得いかないMさんは、職場で最も古株の女性に何か知っていたら教えて欲しいと頼み込んだ。
最初は話を渋っていた女性だが、必死に食い下がるMさんに、とうとうこんな話を聞かせてくれたそうだ。




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52平井 2017/09/17(日) 01:40:48.27 ID: ID:9cuAANbN0.net

(3/4)
30年ほど昔、このホテルに勤めていた雑務係のお爺さんがいた。
当時ホテルの経営が厳しかったせいで、従業員の給料が未払いになる事が度々起きており、
お爺さんは給料の事でホテルの女社長と口論になった。
逆ギレした社長から
「あんたなんて大した働きもないクセに!!」
等と他の従業員の前で酷く罵倒されたお爺さんは、その日の夜従業員寮で自殺を図ってしまう。
同僚に発見され病院に搬送されたものの、数日後に帰らぬ人になったそうだ。
割腹自殺だったという。
一息には死ねず、入院先で苦しみながら亡くなったと従業員の間で噂になった。

ここまで聞いたMさんはハッとした。じゃあ、あの赤い服は…
この件は社長の方から箝口令が敷かれたそうで、先輩達は話すに話せなかったらしい。
女性がMさんに話してくれたのは、根負けしたのもあるが
きちんと説明しておいた方が良いと思ったからだそうだ。

「このお爺さんを見た従業員は、皆刃物で大ケガして辞めちゃうんだよ」
「他の人に話した時、退職勧められなかった?」

そう言われたMさんは、その場で退職を決意したという。




53平井 2017/09/17(日) 01:43:41.37 ID: ID:9cuAANbN0.net

(4/4)
退職する事となったMさんは、今まで住んでた従業員寮も引き払う事になった。
退去当日あらかた荷物運びは終わり、最後の段ボールを持ち上げようと下を向いた時だった。
畳の上に赤い汚れを見つけた。
あれ?と思っていると、間髪入れずに2滴、3滴、4滴と赤い液体が降って来る。
驚いて顔を上げかけたMさんの目に飛び込んで来たのは、
30cmほどの距離にある、赤い服を着た身体だった。
初めて近くで見たその服は単色の赤ではなかった。
どす黒いムラや滲みがあり、濡れてテラテラと光っている。

かろうじて叫び声を押し殺したMさんは、もう一度頭を下げ段ボールを抱えた。
そしてその体勢のまま、出来るだけ床に目を落としながら部屋を出たそうだ。

幸い、退職後はこの赤い服の霊を見る事は無いとMさんは語る。
尚、このホテルは今だ営業中である。

【了】




引用元:【2chオカルト板百物語2017 彼岸】

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