引用元: ・∧∧山にまつわる怖い・不思議な話Part71∧∧
209: 雷鳥一号 ◆jgxp0RiZOM 2013/09/09(月) 18:30:59.20 ID:3e/ol92f0
友人の話。
里帰りした折に、蛍狩りに出掛けた。
実家の山には蛍が多く生息していて、川面で乱舞しているそうだ。
家を出る時、家人がおかしな忠告をしてきた。
「普通とは色が違う蛍を見つけたら、後をついていくんじゃないよ。
それは蛍じゃないから」
へ? 何それ?
「それについていくと、沢の深みに連れて行かれてしまうのよ。
あすこには、急に足場が無くなる場所が幾つかあるんだ。
子供はまず溺れちゃう。そしたらあんたも蛍になっちまうよ」
今でもホタルを見ると、このことを思い出して微妙な心持ちになるという。
里帰りした折に、蛍狩りに出掛けた。
実家の山には蛍が多く生息していて、川面で乱舞しているそうだ。
家を出る時、家人がおかしな忠告をしてきた。
「普通とは色が違う蛍を見つけたら、後をついていくんじゃないよ。
それは蛍じゃないから」
へ? 何それ?
「それについていくと、沢の深みに連れて行かれてしまうのよ。
あすこには、急に足場が無くなる場所が幾つかあるんだ。
子供はまず溺れちゃう。そしたらあんたも蛍になっちまうよ」
今でもホタルを見ると、このことを思い出して微妙な心持ちになるという。
210: 雷鳥一号 ◆jgxp0RiZOM 2013/09/09(月) 18:33:39.29 ID:3e/ol92f0
山仲間の話。
一人で入山していた、初夏の朝。
目が覚めてから、朝の空気を吸いに顔をテントの外へ突き出してみる。
そこに見えたのは、記憶にあった山の風景ではなかった。
辺り一面、見渡す限り金色の海が広がっている。
たわわに実った稲田の真ん中で、彼はキャンプしていた。
テントの中に顔を戻し、混乱した頭を必死でまとめようと努力した。
……駄目だ。何故自分がこんな場所にいるのか、さっぱりわからない。
季節も場所も、まったくあり得ない状況である。
とその時、テントの外から間延びした声が掛けられた。
「あー、間違えた間違えたー。御免、御免よー」
誰だ今の!? 慌ててもう一度、顔を入り口から突き出す。
そこは記憶通りの、新緑に覆われた山の風景に戻っていたという。
周りには誰の姿も確認できなかった。
一人で入山していた、初夏の朝。
目が覚めてから、朝の空気を吸いに顔をテントの外へ突き出してみる。
そこに見えたのは、記憶にあった山の風景ではなかった。
辺り一面、見渡す限り金色の海が広がっている。
たわわに実った稲田の真ん中で、彼はキャンプしていた。
テントの中に顔を戻し、混乱した頭を必死でまとめようと努力した。
……駄目だ。何故自分がこんな場所にいるのか、さっぱりわからない。
季節も場所も、まったくあり得ない状況である。
とその時、テントの外から間延びした声が掛けられた。
「あー、間違えた間違えたー。御免、御免よー」
誰だ今の!? 慌ててもう一度、顔を入り口から突き出す。
そこは記憶通りの、新緑に覆われた山の風景に戻っていたという。
周りには誰の姿も確認できなかった。
211: 雷鳥一号 ◆jgxp0RiZOM 2013/09/09(月) 18:34:46.11 ID:3e/ol92f0
知り合いの話。
親戚と二人で山菜採りに出かけたところ、折からの深い霧ではぐれてしまった。
「おーい」と大声で呼びながら探し続けるうち、霧の向こうから「おーい」と応えが
返ってきた。
やっと見つけられたと喜んで、「おーい」「おーい」と互いに呼び合いながら距離を
詰めていき、ようやく大きな木の下で落ち合えた。
しかしそこで出会った者は、はぐれた親戚ではなかった。
霧を割って姿を現したのは、藁製の蓑を身に付けた一つ目の大男だった。
こちらも仰天したがあちらも負けず驚いている様子で、しばらくお見合いしてしまう。
やがて一つ目が口を開いた。
訛りが酷く聞き取りも容易でなかったが、何とか意思の疏通が出来たらしい。
「どうやらお互いに、相手を間違えちまったようだナ」
深く息を吐いてから続ける。
「この奥にはもう足踏み入れんナ。儂ももう、こっから先は行かんけン。
お互イのハスミ(?)じゃあねえから、戻れんようになるゾ。
お前さんも探し人が見つかると良いノ」
そう述べた後、一つ目は霧の奥に戻って行く。微かな呟きが耳に届いた。
「こうなシバイ(?)日にゃ、イタケ(?)なキモ(?)と出会うちゅうが、いやいや……」
訳のわからない単語混じりだが、言っていることの意味は何となく理解出来た。
急に場違いな領域に侵入した気がして、慌てて元来た方へ足を戻す。
それからしばらくして、親戚とは無事に再会できた。
しかし山を無事に下りるまでは、一つ目の話はしなかったそうだ。
親戚と二人で山菜採りに出かけたところ、折からの深い霧ではぐれてしまった。
「おーい」と大声で呼びながら探し続けるうち、霧の向こうから「おーい」と応えが
返ってきた。
やっと見つけられたと喜んで、「おーい」「おーい」と互いに呼び合いながら距離を
詰めていき、ようやく大きな木の下で落ち合えた。
しかしそこで出会った者は、はぐれた親戚ではなかった。
霧を割って姿を現したのは、藁製の蓑を身に付けた一つ目の大男だった。
こちらも仰天したがあちらも負けず驚いている様子で、しばらくお見合いしてしまう。
やがて一つ目が口を開いた。
訛りが酷く聞き取りも容易でなかったが、何とか意思の疏通が出来たらしい。
「どうやらお互いに、相手を間違えちまったようだナ」
深く息を吐いてから続ける。
「この奥にはもう足踏み入れんナ。儂ももう、こっから先は行かんけン。
お互イのハスミ(?)じゃあねえから、戻れんようになるゾ。
お前さんも探し人が見つかると良いノ」
そう述べた後、一つ目は霧の奥に戻って行く。微かな呟きが耳に届いた。
「こうなシバイ(?)日にゃ、イタケ(?)なキモ(?)と出会うちゅうが、いやいや……」
訳のわからない単語混じりだが、言っていることの意味は何となく理解出来た。
急に場違いな領域に侵入した気がして、慌てて元来た方へ足を戻す。
それからしばらくして、親戚とは無事に再会できた。
しかし山を無事に下りるまでは、一つ目の話はしなかったそうだ。
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