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ほんのりと怖い話

【ほんのり】祖父の店の実態は骨董屋ではなく、怪しげな由来を持つ品をオカルトマニアに売る店だった。営業再開すると更に恐ろしい事実が

編集・公開: オカルト速報
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429本当にあった怖い名無し2013/09/13(金) 17:25:19.21 ID: ID:PM71p5kK0

祖父の家に俺は六歳のころに引き取られた
祖父には、けっして店舗スペースには入るなときつく言われていた。
言いつけを大体守ってた気がするが
10歳の頃、祖父にものすごく怒られた記憶がある。
多分入ったんだろう。

その祖父も俺が高校の頃に他界した。
祖父の葬儀は随分にぎやかだった印象がある。
遺言で葬式には顧客名簿にある人たちも呼んでくれとなっていたので
印刷所にすってもらったものに数週間かけて宛名を書いて出したところ
こういう風に言うのもちょっと失礼だけど
一風変わった人達との出会いがあった。

住職さんとかはかなり不機嫌だったけれども
また会おうとか枕元に立ちに来いよとか
お棺の中の祖父に囁きかける様子は
今思うととても故人を大事にしているように思った。

天涯孤独になった俺は財産はあったので
お役所の人の仲介で面談した里親のもとへ引き取られた。

幾度か実家に足を運んでにるうちに
祖父の店の実態は骨董屋ではなく
怪しげな由来を持つ品とかを中心に集めて
オカルト系マニアに売っていたその筋の店だと分かった。




 

430本当にあった怖い名無し2013/09/13(金) 17:29:21.54 ID: ID:PM71p5kK0

受験に失敗して近場のそこそこ名門にどこも失敗し
滑り止めの大学に進学するようになると
通学に便利なので実家に戻った。
祖父の店の常連の幾人かとは連絡をとっていて
店の再開を望んでるマニアも多いんだと聞かされていたので
土日だけアルバイトを雇って営業を再開することにした。

先代は面白い人ですね。
そんな風にバイトのおじさんが言うので
何故かと問うと
付箋がいっぱいはられた日記志と書かれた大量のノートを読まされた。
付箋をたどっていくと
商品が入ったやら売れたやらといった事務的な内容から
祖父の店内日記めいたものまでつづられていた。
仕入れた商品をあの子と呼んで
大層かわいがっていた様子だ
今日も静かだと残念がるので思わず吹き出してしまった。

俺にとっての祖父は常識的で厳めしい人だったので
ミーハーなかんじのオカルトマニアの一面は本当に意外だった。
それで興味を持って付箋のついてないところも読みたくなり。
最初の一冊目からあらためて読み直した。

日記を盗み見る罪悪感と店の歴史を垣間見る楽しさ
夢中になっているある日にこの文章が目に入った。
「あの子が天井裏に入った
叫ぶ声を聞きつけて駆けつけたら手遅れだった」




431本当にあった怖い名無し2013/09/13(金) 17:32:51.93 ID: ID:PM71p5kK0

ふと、あの子は今日も静かだという一文が頭をかすめた。
皮膚から肉にしみいる寒さみたいなものを感じて眠れず
徹夜でその先を読み進めていった。
日付からすると当時11歳だったようだが
10歳くらいのときに怒られた記憶とほぼ合致していた。
それから一年近く祖父は夜中に大暴れしたりする俺や
昼間のご近所からのクレームに悩まされていたみたいだ。

やがて、決意表明のような文章にでくわした。
「あの子を助けるためにもあれをどうにかしなくちゃいけない。
先生のおっしゃった方法を試す」

しばらくして最初のその書き込みがあった
「ついに、本物らしい呪いの品を手に入れた。
 先生は本当にすごい。
 あの子はとても静かだ」
「効き目が薄くなっている
 先生がおっしゃっていたようにはやく増やさなくては」
「また、なかなか良い時計を手に入れた。
 振り子の向こうかガラスに映ったのか女の顔が見えた気がする。
 あの子は大人しくしている」

いくつか似たような書き込みを見て
俺は頭から読み直すことにした。




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433本当にあった怖い名無し2013/09/13(金) 17:35:28.17 ID: ID:PM71p5kK0

最初のきっかけは小箱を手に入れたあたりだったようだ。
その小箱を入手してから売れるまでの間に
ちょくちょく人面を目撃したところから
祖父はちょっとしたオカルトマニアになったらしい。
が、あくまで仕事は骨董屋。
いわくつきの品を好んでいても
事が起こるまではオカルトショップではなかった。

それを境に本業を疎かにして
骨董商仲間から不気味な品の存在を聞きつけては
糸目をつけずに買い取るということを続けていたようだった。
飛ばし読みばかりしてきて見落としていた事実が見つかっていくうちに
全身の毛が総毛立つことが多くなっていった。

オカルトマニアにも能動的にコンタクトをとっていき
徹底して危なそうな品を蒐集する姿勢が評価されて
常連衆が形作られていったことなどがだんだん明らかになってきた。
一人では怖いのに加えて、量が多すぎたので
バイトのおじさんにも頼んで整理していくとやがてこうまとまった。

俺に何かがあったために
先生と呼ばれる誰かに相談して
本格的なオカルトショップへ転向した後
最後の方では店のリフォームをにおわせるなど
何かから必死に俺を守ろうとしていた様子がうかがえた。




434本当にあった怖い名無し2013/09/13(金) 17:37:12.46 ID: ID:PM71p5kK0

本格的な調査をはじめて最初にみつかったのはリフォーム業者。
話を聞いてみると食いつきがよかった。
本人が亡くなって契約も取り交わす前だったので
連絡するのも憚られるしと困っていたらしい。
まだやる気があるんですかというので
だますようで申し訳ないと思いながらも、当時のメモをざっとみせてもらった。
店舗スペースとその上を丸ごとリフォームするつもりだったらしい。
当然店舗と二階の間の屋根裏も含まれる。
返事を保留してとりあえずは帰った。

ある日バイトのおじさんが先生の連絡先がわかったよと
祖父のメモ帳を片手に教えてくれた。
電話でアポをとってみるとまだご存命だった。

「うちの敷居は跨がないでください」
到着して玄関のベルをならすと、扉をあけた老齢の女性が血相を変えた。
ぐいぐいとおされて玄関先から門の前まで追い返されてしまう。
「話をきかせてください」
「ここでなら」
「祖父は、何をしようと」
「…霊はいると思いますか?」
「いると信じる人がいることなら」
「います。そして人間にできることは少ないのです」
「はあ?」
「彼らもできることは少ないのです。
 ただ、魔が差したり、夢見が悪いときは
 人と霊の世界が重なりあっている場合もあります。
 あなたの場合は、まず助からないでしょう」
「…え…」




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435本当にあった怖い名無し2013/09/13(金) 17:40:14.44 ID: ID:PM71p5kK0

「強い霊に魅入られた人を救える人というのは
 その霊と相性がよくて力が強い人です。
 そんな人との巡り会わせなんてめったにあることではありません。
 探し当てるまでにどれだけのお金、どれだけの労力がかかるでしょうね。
 私があなたのお爺さんに教えたのは毒をもって毒を制する方法です。
 怪異が起こるような物品を集めて、霊同士で縄張り争いをやらせている間は
 彼らはそちらに集中して現世に手出しができません」
「か、からかっているんですか」
「いいえ。
 …もう、私にもその人を見ることが出来ます。
 集められた呪いの品々の怨念に勝ってしまったのですね。
 人間と同じように百戦錬磨の霊は、強いのです」
めまいがした。祖父は店の品を処分するなと遺言してた。
捨てるなという意味だろうから、好事家たちに譲ろうと考えて
店を再開したのが仇になったとでもいうのか。
大分売れてしまっていることを思い出すと、いよいよひざが震えた。
「どうすれば」
「祟り殺されるその日まで、極力、外出しないことです」
「は?…何、それ…」
「人に迷惑をかけないようにすることでしかあなたは救われません。
 今更あがいても呪いを深めるだけですよ。
 せめて心穏やかにいきましょう。
 死後もこの縁を引きずることがないように、精一杯がんばりなさい」
「まって、あ、集めればいいんでしょ?そうしたら…」
「見えないあなたがうらやましいわ。 さ、帰って」




438本当にあった怖い名無し2013/09/13(金) 17:43:05.85 ID: ID:PM71p5kK0

一かバチか。リフォーム業者に連絡をとった。
本格的な見積もりを出してもらうためにと誘って屋根裏にも入ってもらった。
何か、助かる手立てが見つかるとおもっていた。
すると、業者の男性が何かあるぞといって下りてきた。
かなり古びたつづらを抱えていた。
札がはられているとかいった様子はないので開けてみると
中には女物の着物が何着も押し込められていた。
底にびっしりと新旧いりまじった札がちりばめられている様が、
業者の人たちをおののかせた。
これらを見て、俺の心は決まった。

「どうせこれまで彼女いないんだ。
 もうこの際幽霊でもいいや。ついてくるっていうんなら好都合。
 付き合ってやる!」

大学から帰ったある日、こう宣言した。
以降、こうなったら一目交際相手をみてやろうと
バイトのおじさんに商品の値を下げていいといって
棚という棚ががらがらになるまで売りに売らせた。




440本当にあった怖い名無し2013/09/13(金) 17:45:54.69 ID: ID:PM71p5kK0

ある日、店舗で調べものをしているとと天井が軋む音が聞こえた。
階段をかけあがって、店舗の直上の部屋にはいると
そこに長い白髪の女が立っていた
口は裂けたようで、肌は燻されたように黒い。
襲いかかりそうなそぶりを見せた瞬間に、
なんだか目の前が赤く染まったような気がして、気づくと逆にこっちから襲っていた。
ものすごい抵抗をされたが、俺は目的を達成した。
布団に押し倒してまさぐってまさぐってまさぐりまくって、脱童貞。
途中から声なき声でめそめそ泣かれていたような気がしたが
気にせずに一晩中かわいがってやった。途中からは抵抗もやめてなすがまま。
害意っていうのが消えると、化け物じみた姿もそこそこ綺麗なふつうの女のものになっていた。
目が覚めた時には、その姿はなかった。

その後何もおこってない。大学も昨年無事卒業。今は研究職目指して院生。
あれ以来あの女は見えもしない。
唯一女日照りだけはどうにもなっていないが、ほかは絶好調。
毎日祀った着物にさっさと出てこいと念じているが
何の兆候もなくつまらない毎日だ。
おびえたりなんなりしていた時のほうがよっぽど充実していた気がする。





引用元:ほんのりと怖い話スレ その96

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