引用元: ・∧∧山にまつわる怖い・不思議な話Part48∧∧
449: 鏡石 ◆Bs6SdTImF2 2009/12/30(水) 15:15:28 ID:fhogf0no0
我が山村で昔、盗みがあった。
あるとき、その家の家主が蔵に行ってみると、籾殻が床一面に散らばっていた。米泥棒である。
狭い山村のこと、すぐにどうかして犯人が捕まったが、その男は身寄りが一人もいない男であった。
盗人は「堪忍してけろ、堪忍してけろ」と涙を流しながら懇願するので、家主も男の身上を哀れんで、
「このことは許す。他言もしない。だからもう二度と盗みはするなよ」と盗人を許してやった。
しかしある日、このことがある男のところに知れてしまった。その男というのが非常に厄介な男で、
些細なことに難癖をつけては事を大きくしてしまうというので、村人からも恐れられていた。
この男は早速その盗人のところに行くと、まずは盗人をののしり、「盗人は死罪だ」と行って
必死に懇願する盗人を強引に家から連れ出してしまった。
盗みに入られた家主は「俺が許したのだから許してやれ。それに、あの男の家には身寄りがない。
あの男を死罪にしたら、あの家は断絶してしまうぞ」となだめすかしたのだが、この男はしつこいもので、
「お前、盗人を庇うのか。盗人を擁護する者も同罪だぞ」と騒がれれば、さすがの家主も引き下がるほかなかった。
必死に懇願する盗人を強引に家から連れ出してしまった。
盗みに入られた家主は「俺が許したのだから許してやれ。それに、あの男の家には身寄りがない。
あの男を死罪にしたら、あの家は断絶してしまうぞ」となだめすかしたのだが、この男はしつこいもので、
「お前、盗人を庇うのか。盗人を擁護する者も同罪だぞ」と騒がれれば、さすがの家主も引き下がるほかなかった。
450: 鏡石 ◆Bs6SdTImF2 2009/12/30(水) 15:16:35 ID:fhogf0no0
男は盗人を蒼前淵の崖に立たせ、泣き叫ぶ盗人を後ろ手に縛ると、無理やり頭から袋を被せた。
ここに突き落とそうというのである。
そのときだった。今まで泣き叫ぶばかりだった盗人が不意に泣き止むと、袋を被せられた顔を
こちらにぐいと向け「おい」と低く怒鳴った。
「俺は何の関係もないお前にここで殺される。この恨みは忘れん。いいか、よく聞け。
お前の家に生まれる跡取りは20になる前に皆、殺してやる。努々それを忘れるな」
その声はすでに普段の盗人の声ではなかったという。男は「この盗人め! まだ口を利きやがるか!」と憤慨し、
盗人の背を蹴飛ばして蒼前淵に突き落とした。
盗人はそれでもなんとか顔を水面に出そうと必死の様子だったが、男は岸に泳ぎ着こうとする盗人を
持ってきた竹竿で押し戻し、「早く死ね! 早く死ね!」と罵った。
それでも盗人は、常人ならとっくに息絶えてもおかしくない時間の間、必死に抵抗したという。
男は怒り、傍にあった稲杭を引き抜くと、盗人に向かって投げつけた。
稲杭が盗人の肩に深く突き刺さると、蒼前淵は盗人の血で真っ赤に染まった。
盗人はそれでも岸に向かって泳ごうとしたが、ついに力尽き、蒼前淵の底へと沈んで見えなくなった。
それからというもの、男の家では謎の不幸が続出し、せっかく生まれた息子も20になる前に急死してしまった。
男の一族郎党の男子は20になる前に皆死に、その不幸は七代に渡って続いたという。
祟りより人間の方がはるかに怖い。
ここに突き落とそうというのである。
そのときだった。今まで泣き叫ぶばかりだった盗人が不意に泣き止むと、袋を被せられた顔を
こちらにぐいと向け「おい」と低く怒鳴った。
「俺は何の関係もないお前にここで殺される。この恨みは忘れん。いいか、よく聞け。
お前の家に生まれる跡取りは20になる前に皆、殺してやる。努々それを忘れるな」
その声はすでに普段の盗人の声ではなかったという。男は「この盗人め! まだ口を利きやがるか!」と憤慨し、
盗人の背を蹴飛ばして蒼前淵に突き落とした。
盗人はそれでもなんとか顔を水面に出そうと必死の様子だったが、男は岸に泳ぎ着こうとする盗人を
持ってきた竹竿で押し戻し、「早く死ね! 早く死ね!」と罵った。
それでも盗人は、常人ならとっくに息絶えてもおかしくない時間の間、必死に抵抗したという。
男は怒り、傍にあった稲杭を引き抜くと、盗人に向かって投げつけた。
稲杭が盗人の肩に深く突き刺さると、蒼前淵は盗人の血で真っ赤に染まった。
盗人はそれでも岸に向かって泳ごうとしたが、ついに力尽き、蒼前淵の底へと沈んで見えなくなった。
それからというもの、男の家では謎の不幸が続出し、せっかく生まれた息子も20になる前に急死してしまった。
男の一族郎党の男子は20になる前に皆死に、その不幸は七代に渡って続いたという。
祟りより人間の方がはるかに怖い。
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