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怖い話

Uは言うのを少し躊躇ったようだったが、意を決したように「あの車、人を殺してるよ」と、とんでもないことを言った。

編集・公開: オカルト速報
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死ぬほど洒落にならない怖い話を集めてみない200

http://toro.2ch.net/test/read.cgi/occult/1224864816/

332: 1/5 2008/10/28(火) 18:28:00 ID:2eXbVfX40

まとめたのだが、長くなってしまった。いくつかあるネタのうちで、
やはり切欠のようなものがいいとチョイスしたのだが、恐怖度は低めかもしれない。

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怖いもの知らずの友人Sが、肝試し行こうぜ、と僕を誘った。
この友人Sというのは、小学校の時から知っているいわゆる幼馴染なのだが、
あらゆる意味で怖いもの知らずで、クラスに一人はいる「無茶をする奴」だ。

別々の高校・大学に進学しても、友人Sと僕にはつきあいがあり、週一ぐらいで
飲んだりつるんだりしている。

くだんの肝試しには、Sと僕と、もう一人、
僕のバイト仲間で、フリーターのUも一緒に行くことになった。

Uと友人Sとの間に面識はなかったのだが、Sの誘いが「今から行こうぜ!」式の
かなり急なものであったため、「それなら今Uと遊んでるから……」と、
一緒することになったのだった。

飲み屋からSの家に行くと、Sの家の前に見慣れぬ車がとまっている。
どうやら、免許を取って車を買ったので、それを自慢したいがために
企画した「肝試し」であったらしい。

Uは無口で愛想がなく、一見ただの暗い人だ。
しかし実は重度の内気、人見知りなだけで、親しくなるとやや無口気味程度の人だった。

飲み屋から直行したために、僕もUも少し酔っていた。
特にUの方はややフラフラするほど酔っていて、飲み屋からSの家までの道中、
鼻歌まで歌っている始末であったため、大丈夫かコイツと思ったのを覚えている。
普段無口で暗い反動か、酒が入ると愉快な笑い上戸に変貌するのがUの常だった。



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333: 2/5 2008/10/28(火) 18:28:32 ID:2eXbVfX40

しかし、酒が過ぎたのか、歩いているうちに酔いがさらに回ったのか、
Sの家につくころには、Uの顔色は、夜目にも紙のように白くなっていた。
さっきまでの上機嫌はどこへやら、普段以上の無口さになっている。

いざ車に乗り込むと、Uはぐったりしているばかりで、まったくしゃべらない。
Uだけ帰した方がいいかと思って尋ねてみるが、返事がはっきりしない。

車が走り出してしばらくすると、Uは眠りはじめた。
後部座席で寝ているUの様子を、横目で伺いつつ、僕とSは小声で話をはじめた。

今から行く肝試しスポットとは、市内どころか県内でも割と有名なスポットで、
A公園というところだ。
戦国時代に城があったのだが、今ではそのことを書いた看板が立っているだけの、
木とか芝生しかない公園である。

A公園にはお決まりの怪談がいくつかあり、処刑された侍の幽霊が出るとか、
乳母の霊が出るとか、いろいろ噂されている。

Sはデジカメ持参で、「絶対に幽霊を撮る」と息巻いていた。
僕は幽霊とか、そういうものをあまり信じていなかったので、
「ハイハイ」程度で流した。
それよりも、免許を取り立てのSの運転がやたらと荒っぽく、
狭くてくねった道を通っているのにもかかわらず、スピードを出しすぎているのが
気になっていた。
「安全運転しよーぜ」と言うと、Sは窓に垂れ下がっている交通安全のお守りを
得意げに指さし、「大丈夫だって」と言うだけ。

その時、突然Uが目を醒まして、「車をとめて」と言い出した。
様子が切羽詰っていたので、吐くんだな、と思った僕とSは、もちろん
慌てて車を路傍に寄せた。


334: 3/5 2008/10/28(火) 18:29:01 ID:2eXbVfX40

Uは車がとまるかとまらないかの時には、もうドアを開けて外に飛び出し、
案の定嘔吐を開始した。

一通り吐き終わると、Uは「ごめん、もう大丈夫」と言ったが、
相変わらず具合が悪そうだった。
Sは「じゃあA公園行こうかー」などとかなり呑気だった。
僕が再度、「帰った方がいいんじゃね?」とUに尋ねると、彼は頷き、
「悪いけど、俺だけでいいから、一度送ってくれないかな?」と言った。

じゃあUを家まで送って、再出発するか、と言うことになった。

引き返す道すがら、Uは今度は眠らずに、青い顔をしてじっと黙っていた。
普段はいくら無口と言ってももう少ししゃべるのだが、
Sが知らない人であること、具合が悪いこともあって、黙っているのだろうと思った。

Uのアパートに着いた時、「ちょっとなんか飲んでけば?」とUに誘われた。

具合が悪いんだったら、一人で静かに寝てた方がいいのに、と僕は遠慮しかけたし、
SはSで、早くA公園に行きたいらしく渋っている。

が、Uは「寄っていけ」とあくまでしつこく誘う。
くだんのA公園には車で30分もあれば余裕で着くので、「それなら……」と、
押される形でUの家に上がることになった。

Sは強引に誘われたことに不満げで、部屋に入ってもまだぶすっとしている。
Uはと言えば、突然元気を取り戻したように傍目にも言動が明るい。

ジュースと酒を用意して、全員席についたところで、Uが真面目な顔をして、
奇妙なことを言い出した。


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335: 4/5 2008/10/28(火) 18:29:30 ID:2eXbVfX40

「こんなことを言うのはどうかと思うけど、あの車、早く手放した方がいいよ」

当然、Sも俺も「???」となった。
ややあって、Sが「なんで?」と言った。
Uは言うのを少し躊躇ったようだったが、意を決したように、

「あの車、人を殺してるよ」

と、とんでもないことを言った。
Sはぽかんとしていた。
俺は一瞬なにを言われたかわからず、続いて、「えっ!?」とショックを受けた。
しかも、Sまでとんでもないことを言い出した。

「な、なんであの車が中古の事故車両だって知ってんの?」

その時の僕の驚愕はわかっていただけると思う。正直、
「おおおおおおおおおおおい!!11!」と言う感じだった。

Sは知り合いの伝手をたどって、
新車同然の車をかなり安い値段で手に入れたのだった。
どうやら前の持ち主が死亡事故を起こしたらしい。
横断歩道を渡っている子供に突っ込んではねたのだ。
Sは「安ければいいよ!」と大して気にしなかったらしい。

それをなぜUが知っているのか、それよりも、そんな車を平気で乗り回し、
なおかつ、僕とUを乗せたSが恐ろしかったのを覚えている。


336: 5/5 2008/10/28(火) 18:30:04 ID:2eXbVfX40

Uはいわゆる「見える人」であるらしく、
Sの家に近づくにつれて嫌な感じがしていたそうだ。
車を見てヤバイと思ったものの、帰るとは言い出せず、しかも車に乗ったら
もっと具合が悪くなってくる。
これはまずいと、引き返させたらしい。

Sはなぜか感心したようで、すげえなあと感嘆している。こいつの感性はおかしい。

Sは「車を早いところ手放さないと、ひどい事故を起こすかもしれない」と警告され、
さすがに車を手放すことを考えたようだった。
いくら怖いもの知らずとは言え、自分が怪我をする程度ならともかく、
人身事故でも起こしてはたまらないと思ったのだろう。

僕はUに、「と言うことは、Uには、車になにかがいるのが見えたのか?」と尋ねた。
Uは口をつぐんで、「別に」と言ったが、なんだか怪しい感じだったので、
さらに尋ねると、やっと彼はこう言った。

「フロントガラスに、血だらけの子供の顔が張り付いて、逆さに覗きこんでたよ」


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