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怖い話

…男の子は消えてしまった。そのことに気づいたら、ぞっとしてきた。もしかして幽霊かもしれない。私は家に入れなくなって、仕方なく道路でうろうろしていた。

編集・公開: オカルト速報
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ほどよく怖い話…5

http://viper.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1121177012/

391: 1/5 投稿日:2005/07/13(水) 03:14:00 ID:Ma3ehZ2b0

中学2年生の夏休み、長崎にある母の実家に帰省した時の話。

車や船で数時間かけてやっと母の実家のある○○島に到着した。
祖父母と、母の妹である叔母があふれんばかりの笑顔で出迎えて
くれたが、疲れていた私は3人への挨拶もそこそこに家に入り
布団を出して寝てしまった。
しばらくして母から「今からちょっとみんなで出かけるけど、あんた
は行かない?」と聞かれたが夢うつつの状態で首を横にふった。
それからどのくらいたったのだろう…私は目を覚ました。
目をこすり、起き上がって意識がはっきりしてきて、顔を上げた。
夕方になるのに電気をつけてないせいでやや部屋は薄暗い。
…とあたりを見渡して「わっ」と思わず声をあげてしまった。



392: 2/5 投稿日:2005/07/13(水) 03:14:49 ID:Ma3ehZ2b0

私の寝ている部屋の隣は廊下だった。戸は開けたままにしてあった。
そこに男の子が立っている。4~5歳くらい?で、雨上がりのホトちゃん
っぽい髪型だった。キャラクターがプリントされたTシャツと半ズボンと
いう出で立ちで、まあ変わったところはない。
「わっ」と私が声を発してからも、男の子とたっぷり10秒は見つめあった
と思う。
(誰?近所の子ども?親戚の子ども??誰が連れてきたんだろ)
少なくとも家に母たちが帰ってきた雰囲気はない。
その時私は男の子と見つめあいながらあることを思い出した。
幼い子どもには嫌な思い出がある。前にこの家に来た時、2軒となりに住む
ヨシくん(当時6歳)に、ちゃぶ台に放り出していた私の冬休みの宿題を
ぐちゃぐちゃにされるわ落書きされるわのいたずらを受けたのだ。
それが脳裏に浮かんだ私は思わず男の子にこう言った。
「ねえ、この家でなんかいたずらしたりしとらんよね?」


394: 3/5 投稿日:2005/07/13(水) 03:16:46 ID:Ma3ehZ2b0

今考えると、起きたら目の前にいたという不可解な子どもに話しかける言葉
としては適当ではなかったなあと思う。彼はヨシくんではないわけだし、
何より彼自身について聞くべきだった。
「勝手にこの家入ってきたと?いかんよ。なんも変なことしとらんよね?」
さらに私は彼に聞いた。
とたん、男の子は玄関に猛ダッシュ。「あっ逃げた…」と私は廊下に出て、
玄関にかけよった。戸を引いて開けたが誰もいない。ちなみに玄関の外は
約30メートルほど塀に囲まれた小道が続き、その先がやっと道路だ。
だから、あの子がどんなに速く走っても後ろ姿くらい見れると思ったんだけど。
玄関は出たけど、道路の方には逃げずに家の裏側の小庭にまわりこんだかな…
と思った瞬間、私はあることに気づいた。
そもそもあの子が逃げる時、玄関の戸を開け閉めした音がしなかった。
彼が逃げる時に玄関を開ける音がしなかったのはわかる。家に入った時閉めずに
開けっ放しにしといたんだろう。
ただ、私が追いかけて玄関にかけよった時、戸は閉まっていた。
なら男の子が逃げる際戸を閉めていったということになる。


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397: 4/5 投稿日:2005/07/13(水) 03:18:19 ID:Ma3ehZ2b0

だが…この家の玄関の戸は開け閉めの時派手な音を立てるのだ。
ずっしり重量感もあるし、子どもが素早く、しかも音を立てずこの戸を
閉めていったなんて到底考えられなかった。
私の寝ていた部屋は玄関に一番近い部屋だ。この部屋を出て玄関につくまで
隠れるところはどこにもない。
…男の子は消えてしまった。
そのことに気づいたら、ぞっとしてきた。もしかして幽霊かもしれない。
私は家に入れなくなって、仕方なく道路でうろうろしていた。
まもなく母たちが帰ってきて、私は飛びつかんばかりにみんなにかけより
一部始終を話し始めた。

みんなで家に入った。いつもどおりの玄関だ。
居間に座ると母に「夢でも見たっちゃろ」と言われたが、叔母がフォロー
してくれた。
「私は信じるよーAちゃんの見たやつ。絶対子どもの幽霊よね!
第一出てもおかしくなかよ?今お盆やし。ご先祖の霊が帰ってきてる時期よ」
その言葉を聞いて私はふと考えた。十数秒思考し続け、「もしかして」と思った。


398: 5/5 投稿日:2005/07/13(水) 03:19:15 ID:Ma3ehZ2b0

その男の子の顔を見ていた時、変な違和感のような、でも親しみやすいような
何とも言えない感覚を持ったのだ。そしてたった今その原因がわかった。
その男の子は叔母に似ていた。思い出せば思い出すほど。すごく似ている。
私はみんなを相手に楽しげに会談話を始める叔母を見ながら、さらに自分の考えを
反芻し始めた。
男の子に違和感を抱いたのは、叔母に子どもなんかいないから。
だから、いるはずのない、けどそれに限りなく近い存在を不思議に思った。
しかし、叔母は過去妊娠をしたことがあった。
残念ながらその子は死産だったのだ。外に出てくる3日くらい前におなかの中で
死んじゃったみたいなの…母から昔そう聞いた。それが4~5年前のことだ。

私は思った。
あの男の子は叔母の子どもではないだろうか。お盆だから家に帰ってきてたんだ。
一度死んだ人間が成長するのか?叔母の言うとおり帰ってきたご先祖様の霊かも
しれないのに、いくら似てるからってなんでそれが叔母の亡くなった子供だと
言えるのだ…
でも、私はそう信じることにした。
そのくせ、なぜかその子が叔母に似てることをみんなに言えなかった。

そのまま何事もなく数日過ぎ、やがて帰る日を迎え、私は○○島を去った。
それ以降もたびたび母の帰省についていくが、男の子には会えない。
もっとも成長を続けているのだとしたら、かなり大きくなっているだろうが。
とにかくもう一度会えたら、あの時いきなり怒ってごめんねってことと、
いとこのお姉さんは君に会えて嬉しかったよってことを、伝えたい。


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