引用元: ・ほんのりと怖い話スレ その43
733: 本当にあった怖い名無し 2007/10/22(月) 01:50:00 ID:qYp0ddVl0
この間、ツレと軽く飲みながら話してたんだがそのうち『怖い夢の話』ってので
盛り上がった事があった。
怖いとは言え所詮は夢なわけで、その殆どがベターなものか、どうしようもなく
突拍子もないものばかりだった。
『夜の病院で幽霊に遭遇』とか『パンストを頭から被った男に追い回されて
マシンガンで蜂の巣にされる』とかまあ、全体的にそんな二極テイストだ。
そんな中、俺はふと思い出した夢の話があって、これがなかなかに不気味で気色悪いもの
だったので「ああ。次はこれにするか」とか思いながらビールをちびちびやっていたんだが――
「そう言えば、最近――つっても1年くらい前か? こんな夢見てよ……」
と、ツレが先んじて話し始めたもんだから、しょうがなく聞きに回ることにした。
ツレの話の内容はこうだ。
盛り上がった事があった。
怖いとは言え所詮は夢なわけで、その殆どがベターなものか、どうしようもなく
突拍子もないものばかりだった。
『夜の病院で幽霊に遭遇』とか『パンストを頭から被った男に追い回されて
マシンガンで蜂の巣にされる』とかまあ、全体的にそんな二極テイストだ。
そんな中、俺はふと思い出した夢の話があって、これがなかなかに不気味で気色悪いもの
だったので「ああ。次はこれにするか」とか思いながらビールをちびちびやっていたんだが――
「そう言えば、最近――つっても1年くらい前か? こんな夢見てよ……」
と、ツレが先んじて話し始めたもんだから、しょうがなく聞きに回ることにした。
ツレの話の内容はこうだ。
舞台は婆さんの田舎。中学時代くらいのツレは友人数人を引き連れて山道を歩いている。
日差しは刺し貫くように暑い。ツレと友人連中は犬のように舌を垂らし、ひいこら言いながら
歩き続けていたが、そのうち誰ともなく言い始めた「なあ。どっかで休まないか?」
願っても無い話だったのだが休むに適した場所もなく、仕方ないので暫く歩き続けていたが
暫くすると不意に道が開けて、大きな原っぱみたいな所に出たそうだ。
(この山にこんな所あったのか……)
とか思いつつ辺りを見渡してると、ふと妙なスペースがある事に気付いた。
それは多分『家の跡地』なのだろうと、ツレはそう思った。
コンクリートの基礎がむき出しになっているような、恐らくその場所に家があったであろう
名残みたいなものだったそうだ。恐らく火事か何かで焼け落ちた家から残骸を取り除いたら
こんな感じになるんじゃないかなとかそんな代物で、基礎はあるんだが家屋を為していたであろう
木材とかはどこにも見当たらなかったそうだ。
そして、そこにひとりの老婆がぽつんと座っていたんだという。
恐らく部屋の跡であろう場所に畳が一枚。着物姿の老婆はそこにひとりぽつんと正座していたという。
背中を丸めて、枯れ枝みたいな手を腹の前で重ねて――まるで眠っているかのように目を閉じたまま
じっとしているその姿は見た目にも酷く不気味なもので、友人共々思わず生唾を飲み込んで二、散歩後ずさったそうだ。
日差しは刺し貫くように暑い。ツレと友人連中は犬のように舌を垂らし、ひいこら言いながら
歩き続けていたが、そのうち誰ともなく言い始めた「なあ。どっかで休まないか?」
願っても無い話だったのだが休むに適した場所もなく、仕方ないので暫く歩き続けていたが
暫くすると不意に道が開けて、大きな原っぱみたいな所に出たそうだ。
(この山にこんな所あったのか……)
とか思いつつ辺りを見渡してると、ふと妙なスペースがある事に気付いた。
それは多分『家の跡地』なのだろうと、ツレはそう思った。
コンクリートの基礎がむき出しになっているような、恐らくその場所に家があったであろう
名残みたいなものだったそうだ。恐らく火事か何かで焼け落ちた家から残骸を取り除いたら
こんな感じになるんじゃないかなとかそんな代物で、基礎はあるんだが家屋を為していたであろう
木材とかはどこにも見当たらなかったそうだ。
そして、そこにひとりの老婆がぽつんと座っていたんだという。
恐らく部屋の跡であろう場所に畳が一枚。着物姿の老婆はそこにひとりぽつんと正座していたという。
背中を丸めて、枯れ枝みたいな手を腹の前で重ねて――まるで眠っているかのように目を閉じたまま
じっとしているその姿は見た目にも酷く不気味なもので、友人共々思わず生唾を飲み込んで二、散歩後ずさったそうだ。
734: 本当にあった怖い名無し 2007/10/22(月) 01:51:32 ID:qYp0ddVl0
だがその時、いきなり老婆の首がぐるんと勢い良く回ったかと思うと、枯れ枝を叩き折るような音と共に
ツレ達の方に向けられた。そして閉じられていた瞼がゆっくりと持ち上げられ――
「……ッ!?」
ツレは思わず言葉を失ったそうだ。それもその筈で、しわくちゃ瞼の向こうから現れたのは
白目の部分が真っ黒で、瞳が血のように真っ赤なまさしく異形の眼だったからだ。
それがまるで昆虫か爬虫類のようにぎょろぎょろと蠢き、やがてツレ達の方をにらみつける様に凝視した。
ツレもその周りの友人もすっかりビビリ入って逃げようとしたが、恐怖ですくんで体が動かない
そうこうするうちに老婆がゆっくりと立ち上がる。腰は相変わらずひん曲がったままで、
重ねていた手をゆっくりと解く……そこでまた息を飲んだ。
その腕は異常に長かったからだ。まるでゴムひものようにだらりと伸びて足首の辺りまで垂れ下がり、
ひくひくと脈打つように動いていたそうだ。それはまるで昆虫か何かの腕みたいだった。
そして赤眼の老婆は、その細くて干からびたからだをびくんと波打たせると、まるで糸の絡まった操り人形みたいに
滅茶苦茶な動きをしながら凄いスピードで近づいてきたそうだ。
流石にそこまでショッキングな光景を見せられると、怖気づいているわけにも行かず、相方と友人たちは
弾ける様にその場から走って逃げたそうだ。だけど、どれだけ走っても老婆の息遣いのようなものと
あの枯れ枝を折るような音が直ぐ背後から響いてきて――
「ひっ!?」
肩を何かに掴まれた所でいきなり眼が覚めたそうだ。
ツレ達の方に向けられた。そして閉じられていた瞼がゆっくりと持ち上げられ――
「……ッ!?」
ツレは思わず言葉を失ったそうだ。それもその筈で、しわくちゃ瞼の向こうから現れたのは
白目の部分が真っ黒で、瞳が血のように真っ赤なまさしく異形の眼だったからだ。
それがまるで昆虫か爬虫類のようにぎょろぎょろと蠢き、やがてツレ達の方をにらみつける様に凝視した。
ツレもその周りの友人もすっかりビビリ入って逃げようとしたが、恐怖ですくんで体が動かない
そうこうするうちに老婆がゆっくりと立ち上がる。腰は相変わらずひん曲がったままで、
重ねていた手をゆっくりと解く……そこでまた息を飲んだ。
その腕は異常に長かったからだ。まるでゴムひものようにだらりと伸びて足首の辺りまで垂れ下がり、
ひくひくと脈打つように動いていたそうだ。それはまるで昆虫か何かの腕みたいだった。
そして赤眼の老婆は、その細くて干からびたからだをびくんと波打たせると、まるで糸の絡まった操り人形みたいに
滅茶苦茶な動きをしながら凄いスピードで近づいてきたそうだ。
流石にそこまでショッキングな光景を見せられると、怖気づいているわけにも行かず、相方と友人たちは
弾ける様にその場から走って逃げたそうだ。だけど、どれだけ走っても老婆の息遣いのようなものと
あの枯れ枝を折るような音が直ぐ背後から響いてきて――
「ひっ!?」
肩を何かに掴まれた所でいきなり眼が覚めたそうだ。
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735: 本当にあった怖い名無し 2007/10/22(月) 01:52:39 ID:qYp0ddVl0
「いやあ、あれはすげぇ怖かったなぁ……まさかこんな歳にもなって、あんな夢見るとは思わんかった」
苦笑混じりに話を終えたツレに、だけど俺は気が気でなかった。
「なあ。それ、オマエが見た夢なんだよな?」
尋ねるとツレは「そうだけど?」と訝しげに頷く。
「誰かに似たような話を聞いたからとか、そう言うことは?」
俺の質問にツレは暫しの間考えるような仕草を見せたがやがてあっさりと「いや、それはない」と断言した。
「俺の夢がどうかしたのかよ?」
今度は逆に問うてきたツレに俺はどう答えれば良いのか分からなかった。
何故ならツレの夢に出てきた赤眼の老婆ってのは――
「俺もそのババァの夢、見たことあるんだわ……高校くらいの時に」
俺の言葉にツレは「は?」と困惑顔。そんなツレを尻目に、俺はさっき話そうとした夢の事を話し始めた。
苦笑混じりに話を終えたツレに、だけど俺は気が気でなかった。
「なあ。それ、オマエが見た夢なんだよな?」
尋ねるとツレは「そうだけど?」と訝しげに頷く。
「誰かに似たような話を聞いたからとか、そう言うことは?」
俺の質問にツレは暫しの間考えるような仕草を見せたがやがてあっさりと「いや、それはない」と断言した。
「俺の夢がどうかしたのかよ?」
今度は逆に問うてきたツレに俺はどう答えれば良いのか分からなかった。
何故ならツレの夢に出てきた赤眼の老婆ってのは――
「俺もそのババァの夢、見たことあるんだわ……高校くらいの時に」
俺の言葉にツレは「は?」と困惑顔。そんなツレを尻目に、俺はさっき話そうとした夢の事を話し始めた。
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737: 本当にあった怖い名無し 2007/10/22(月) 01:56:01 ID:qYp0ddVl0
その時俺は、やはり中学くらいの時の姿で婆ちゃんの家の裏手の山の、神社へと続く坂道を友人と一緒に歩いていた。
日差しは焼け付きそうなくらい暑く、二人とも汗だくになりながら歩いていたのを覚えている。
いくら田舎子供の体力とは言え、この暑さには適わない。そうこうしているうちに友人がぽつりと言った。
「なあ、休憩せんか?」
その言葉に俺は大賛成だっただが、生憎とこの辺りには日を遮るような木陰が無い。どこかに良い塩梅のスペースは
無いものかと辺りを見回していたわけだが――
「……あれ?」
ふと、神社の鳥居の辺りにぽつりと人影が見えた。それは見たことの無いおばあさんで、腰は曲がり手足は枯れた枝
みたいに細く、その顔はしわくちゃで瞼は眠っているみたいに横一文字に閉じられている。
その容姿はツレが先ほど話してくれた赤眼の老婆そっくりだ。
そして、夢の中の俺が
(うわー。あの婆ちゃん元気やなぁ)
とかそんな事を思っていたら、不意に何の脈絡もなく婆さんのいきなり瞼がかっと見開いた。
そして俺はそこに確かに見た。白目の部分が真っ黒で、瞳だけが血のように赤い。それはツレが見た赤眼の老婆
そのものだった。そして同じように身体の前で組んでいた手を解くと、それはだらりと足首の辺りまで垂れ下がり
パキパキと枯れ枝の折れるような音が――随分と距離があったにも関わらず確かに響き渡る。
「おい! あれヤバイよな!?」
隣の友人が間抜けな問いかけをしてくる。俺はがくがくと頷きながらその場から逃げようときびすを返したんだが――
「うわ、追っかけてきた!?」
それよりも早く、老婆が坂道を凄い勢いで駆け下りてきた。壊れた操り人形みたいな独特な動きで、だ。
俺と友人は必死になって逃げたが、直ぐに真後ろまで追いつかれたらしい、肩越しに枯れ枝の折れるような音と、
変な息遣いのようなものが聞こえてきた。
(やばい! 捕まる!?)
そう思った瞬間、誰かに肩をがっしりと掴まれて――
736: 本当にあった怖い名無し 2007/10/22(月) 01:53:46 ID:qYp0ddVl0
「俺もそこで目が覚めたんだよな……」
話し終えた俺とツレの間に、妙な沈黙が流れた。だけどやがて、ツレの方が苦笑しながら、
「またまたそう言うこと言って、変な怖がらせ方しようとする……話合わせただけだろ?」
と、どこか必死さを込めながら問うてきた。
だけど俺はそんな気は毛頭もなかったし、何よりもだからこそ最初に「誰かに似たような話聞いたことあったか?」
って聞いたんだ。
そしてこれは断言出来る事だが、俺はツレに赤眼の老婆の話をしたことなんて一度も無い。
そして似たような話が出回った事も多分、無いと思う。俺は北陸の出身で大学になるまで県外で過ごしたことはない。
ツレは九州あたりの出身で、やっぱり九州より北で過ごした事は全然無い。俺とツレが出会ったのは大学以降。
もしそんな話が共通の話題として出回っていたら、大層大規模な噂話として全国的に有名になってたと俺は思う。
もしかして、夢の中を感染するように渡り歩いているモノなんだろうか……とか、
ちょっと出来すぎた事を思ったりもしている。
果たして、俺とツレが見た赤眼の老婆ってのは一体、何だったんだろうか。
そして俺とツレの他にも、アレを夢に見たことのあるヤツとかって、居るんだろうかね。
以上、長文スマソ。
話し終えた俺とツレの間に、妙な沈黙が流れた。だけどやがて、ツレの方が苦笑しながら、
「またまたそう言うこと言って、変な怖がらせ方しようとする……話合わせただけだろ?」
と、どこか必死さを込めながら問うてきた。
だけど俺はそんな気は毛頭もなかったし、何よりもだからこそ最初に「誰かに似たような話聞いたことあったか?」
って聞いたんだ。
そしてこれは断言出来る事だが、俺はツレに赤眼の老婆の話をしたことなんて一度も無い。
そして似たような話が出回った事も多分、無いと思う。俺は北陸の出身で大学になるまで県外で過ごしたことはない。
ツレは九州あたりの出身で、やっぱり九州より北で過ごした事は全然無い。俺とツレが出会ったのは大学以降。
もしそんな話が共通の話題として出回っていたら、大層大規模な噂話として全国的に有名になってたと俺は思う。
もしかして、夢の中を感染するように渡り歩いているモノなんだろうか……とか、
ちょっと出来すぎた事を思ったりもしている。
果たして、俺とツレが見た赤眼の老婆ってのは一体、何だったんだろうか。
そして俺とツレの他にも、アレを夢に見たことのあるヤツとかって、居るんだろうかね。
以上、長文スマソ。
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