566: 本当にあった怖い名無し 04/08/08 07:38 ID:bTuDAPbC
実体験なので、まったく怖くないです…
1998年8月、お盆休みに当時高崎に住んでいた友人と連れだって、ドライブに出かけた。
特にあてもなく、関越を水上で降りて利根川の源流や尾瀬を抜けて日光等々、ふらふらと。
午後になり、さて宿をどうするかという段になった。当時、月2箇所ぐらいのペースで出張の
ある仕事に就いていた私は、前日当日に宿を取るなど朝飯前と自負していた。
ガイドブック片手に携帯であちこち電話をしたが、時期はお盆の真っ最中、しかも週末とあ
って、近場の温泉宿は殆ど満室。友人にうそぶいていた私の額に、うっすらと汗が浮いてき
た頃、○神温泉の文字が目に入った。当時この名前を知らなかった私は、
「ここはマイナーだろ」と思い、とりあえず目に留まった一軒の宿に電話した。
名前は○○荘。ホテル~や~旅館など器の大きそうな宿にことごとく振られていたので、
この名前が真っ先に目に付いた。
電話には番頭格らしき中年男性が、比較的丁寧な物腰で出た。
「これから2人なんですが、空いてます?」
「え~っとですね、う~ん、少々お待ち頂けますか?」
対応は微妙だった。1分近く待たされ、こりゃ次あたるかと電話を切ろうとした時、
「もしもし」と、先ほどとは別の中年女性が対応に出た。
「今どちらですか、一応、手狭になりますが一部屋ご用意できますが」
「1時間ほどで着けると思います、お願いします」
日も傾きかけてきていた。即決だった。
1998年8月、お盆休みに当時高崎に住んでいた友人と連れだって、ドライブに出かけた。
特にあてもなく、関越を水上で降りて利根川の源流や尾瀬を抜けて日光等々、ふらふらと。
午後になり、さて宿をどうするかという段になった。当時、月2箇所ぐらいのペースで出張の
ある仕事に就いていた私は、前日当日に宿を取るなど朝飯前と自負していた。
ガイドブック片手に携帯であちこち電話をしたが、時期はお盆の真っ最中、しかも週末とあ
って、近場の温泉宿は殆ど満室。友人にうそぶいていた私の額に、うっすらと汗が浮いてき
た頃、○神温泉の文字が目に入った。当時この名前を知らなかった私は、
「ここはマイナーだろ」と思い、とりあえず目に留まった一軒の宿に電話した。
名前は○○荘。ホテル~や~旅館など器の大きそうな宿にことごとく振られていたので、
この名前が真っ先に目に付いた。
電話には番頭格らしき中年男性が、比較的丁寧な物腰で出た。
「これから2人なんですが、空いてます?」
「え~っとですね、う~ん、少々お待ち頂けますか?」
対応は微妙だった。1分近く待たされ、こりゃ次あたるかと電話を切ろうとした時、
「もしもし」と、先ほどとは別の中年女性が対応に出た。
「今どちらですか、一応、手狭になりますが一部屋ご用意できますが」
「1時間ほどで着けると思います、お願いします」
日も傾きかけてきていた。即決だった。
引用元: ・死ぬほど洒落にならない怖い話を集めてみない?81
567: 本当にあった怖い名無し 04/08/08 07:40 ID:bTuDAPbC
>>566続き
宿は案の定古かった。歴史を感じさせるなどという情緒などなく、築20~30年くらいの単なる
古びた2階建ての宿だった。
2階の突き当たりにある「ききょうの間」という部屋に通された。6畳間に2畳程の板間とトイレ
が付いた、本当に狭い部屋だった。おそらく、普段は従業員が使用してる部屋なのだろう、
仲居さんは、しきりに「すいません」と繰り返していた。
風呂は以外にも広く、温泉はかけ流しだった。
「だろっ」っと、ほくそえんだ私を見て友人は「まあまあだな」と笑った。
朝が早かった為、夕食のビールが効く。
途中トイレにたつと、2人の仲居さんが私を見て立ち話を中断し、妙な愛想笑いを浮かべた。
睡魔が程よく回っていた為、さほど気にしなかった。
友人の驚異的な大イビキで目が覚めた。
部屋の明かりは友人が消したのであろう、さて、寝たのは何時だったのか…ぼ~っとした頭で
考えて、さぁもう一眠りだと思うが、隣がうるさい。
「んっ?」と思った。
右手に板間がある位置のふとんで寝ていた私は、仕切りの障子が開いていることに気づいた。
何故か気になる。普段ならどうでもいいことが、何故か気になる…
「閉めなきゃ、閉めなきゃ」と何故かしきりに思っている。
体を起こそうとした瞬間、金縛りにあった。
幼少の頃から疲れたとき、金縛りにあうことには慣れていた私は、「またかよ」とうんざりし
ながらも、少しづつ気合を入れて解く作業に転換した。
だが、いつもと違う。頭は金縛りを早く解かねばと考えているのだが、目を板間の方向から離
せない。
それでも、指先から徐々に動くよう気合を入れる。恐怖感よりもこの動けない苦痛が嫌いだと
いつもは思っているが、この日は何故か怖い。真夏の空調も無い部屋なのに、体温が低下して
ゆくのが分かる。
宿は案の定古かった。歴史を感じさせるなどという情緒などなく、築20~30年くらいの単なる
古びた2階建ての宿だった。
2階の突き当たりにある「ききょうの間」という部屋に通された。6畳間に2畳程の板間とトイレ
が付いた、本当に狭い部屋だった。おそらく、普段は従業員が使用してる部屋なのだろう、
仲居さんは、しきりに「すいません」と繰り返していた。
風呂は以外にも広く、温泉はかけ流しだった。
「だろっ」っと、ほくそえんだ私を見て友人は「まあまあだな」と笑った。
朝が早かった為、夕食のビールが効く。
途中トイレにたつと、2人の仲居さんが私を見て立ち話を中断し、妙な愛想笑いを浮かべた。
睡魔が程よく回っていた為、さほど気にしなかった。
友人の驚異的な大イビキで目が覚めた。
部屋の明かりは友人が消したのであろう、さて、寝たのは何時だったのか…ぼ~っとした頭で
考えて、さぁもう一眠りだと思うが、隣がうるさい。
「んっ?」と思った。
右手に板間がある位置のふとんで寝ていた私は、仕切りの障子が開いていることに気づいた。
何故か気になる。普段ならどうでもいいことが、何故か気になる…
「閉めなきゃ、閉めなきゃ」と何故かしきりに思っている。
体を起こそうとした瞬間、金縛りにあった。
幼少の頃から疲れたとき、金縛りにあうことには慣れていた私は、「またかよ」とうんざりし
ながらも、少しづつ気合を入れて解く作業に転換した。
だが、いつもと違う。頭は金縛りを早く解かねばと考えているのだが、目を板間の方向から離
せない。
それでも、指先から徐々に動くよう気合を入れる。恐怖感よりもこの動けない苦痛が嫌いだと
いつもは思っているが、この日は何故か怖い。真夏の空調も無い部屋なのに、体温が低下して
ゆくのが分かる。
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568: 本当にあった怖い名無し 04/08/08 07:42 ID:bTuDAPbC
>>567続き
どのくらい時間がたったのか、なんとか金縛りが解けた。
浅く持ち上げていた体を、ゆっくりとふとんに沈めた。耳鳴りがしていたので気づかなかった
が、友人はまだ大イビキをかいている。「うるさいな」と寝返りをうった。
軍人がいた。
私と友人との間に軍人、いや、正確にいうとそれらしき帽子を目深にかぶった者が正座し、
板間の方向を凝視していた。
気が付くと朝だった。「おはようさん」と朝風呂からサッパリした顔の友人が戻ってきた。
「イビキうるさいよ」と軽く文句を言いつつ、昨日のことは夢だろうと記憶を打ち消していた。
板間の古びた赤いビニールの椅子に腰掛けようと引いたとき、ふと気づいた。
その椅子には、うっすらと埃がかかっていた。
その時思った。この部屋は普段人の出入りが無いんだな、何らかの理由でと。
大広間での朝食の時、電話に出た女将らしき人がいたので、それとなく聞こうかとも思ったが、
忙しそうなのでやめた、というより、その時点でも今でもあれは夢だと思っている。
長文、駄文スマソ。
どのくらい時間がたったのか、なんとか金縛りが解けた。
浅く持ち上げていた体を、ゆっくりとふとんに沈めた。耳鳴りがしていたので気づかなかった
が、友人はまだ大イビキをかいている。「うるさいな」と寝返りをうった。
軍人がいた。
私と友人との間に軍人、いや、正確にいうとそれらしき帽子を目深にかぶった者が正座し、
板間の方向を凝視していた。
気が付くと朝だった。「おはようさん」と朝風呂からサッパリした顔の友人が戻ってきた。
「イビキうるさいよ」と軽く文句を言いつつ、昨日のことは夢だろうと記憶を打ち消していた。
板間の古びた赤いビニールの椅子に腰掛けようと引いたとき、ふと気づいた。
その椅子には、うっすらと埃がかかっていた。
その時思った。この部屋は普段人の出入りが無いんだな、何らかの理由でと。
大広間での朝食の時、電話に出た女将らしき人がいたので、それとなく聞こうかとも思ったが、
忙しそうなのでやめた、というより、その時点でも今でもあれは夢だと思っている。
長文、駄文スマソ。
591: 566 04/08/08 17:59 ID:bTuDAPbC
>>566->>568の後日譚ではないですが、余談。
昨年(2003)の6月頃、仕事で○神温泉の近くへ行った。
沼田ICから国道120号○割の滝を越え右折した所に、当時「鎧橋」という古い橋が架かってい
た。私と先輩は、旧橋から新橋に架け替える為の現地調査に訪れた。
朝6時に東京を発ったので、夕刻には仕事を終えていた。その間、やたらと世話を焼いてくれ
た年の頃40代後半の近所のオバサンがいた。
「この辺りは山菜がたくさん取れるでしょうね」と先輩が言えば、弁当時に山菜の天ぷらを
山ほど振舞ってくれたり、休憩時には冷えた麦茶をご馳走してくれた。
なんでも「鎧橋」という名称は、源氏だか平家だかの落ち武者が川の大岩に鎧を取って一休
みしたという伝説からついたとか。なるほど川を見下ろすとコンテナ大の大岩があった。
若い頃は保険の営業をしていたという、おしゃべりなオバサンは私が帰り仕度をしている時
に一言、
「人柱が立たなきゃいいけどね」と。
「えっ、どういう意味ですか?」と訊ねると、
「いや、犠牲者というかね、死人が出なきゃいいってこと」と普通に答えた。
旧橋の工事のときに作業員が一人死んだと言う。
(いやなこと言うババァだな)と思ったが、オバサンが去り際に小声で、
「今日は無かったね」と呟いたとき、心底ゾッとした。
今は新しい「鎧橋」が架かっていると思います。死人が出たかどうかは知りません。
昨年(2003)の6月頃、仕事で○神温泉の近くへ行った。
沼田ICから国道120号○割の滝を越え右折した所に、当時「鎧橋」という古い橋が架かってい
た。私と先輩は、旧橋から新橋に架け替える為の現地調査に訪れた。
朝6時に東京を発ったので、夕刻には仕事を終えていた。その間、やたらと世話を焼いてくれ
た年の頃40代後半の近所のオバサンがいた。
「この辺りは山菜がたくさん取れるでしょうね」と先輩が言えば、弁当時に山菜の天ぷらを
山ほど振舞ってくれたり、休憩時には冷えた麦茶をご馳走してくれた。
なんでも「鎧橋」という名称は、源氏だか平家だかの落ち武者が川の大岩に鎧を取って一休
みしたという伝説からついたとか。なるほど川を見下ろすとコンテナ大の大岩があった。
若い頃は保険の営業をしていたという、おしゃべりなオバサンは私が帰り仕度をしている時
に一言、
「人柱が立たなきゃいいけどね」と。
「えっ、どういう意味ですか?」と訊ねると、
「いや、犠牲者というかね、死人が出なきゃいいってこと」と普通に答えた。
旧橋の工事のときに作業員が一人死んだと言う。
(いやなこと言うババァだな)と思ったが、オバサンが去り際に小声で、
「今日は無かったね」と呟いたとき、心底ゾッとした。
今は新しい「鎧橋」が架かっていると思います。死人が出たかどうかは知りません。
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