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怖い話

【オカルト】なぜたった数日で、自転車は何年分も朽ち果て土に還ったのか?【前編】

編集・公開: オカルト速報
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洒落怖383から。長文の前編で、続きは投稿中とのこと。ここまでを一気読み推奨、というのが管理人の感想です。
748: 名無しのオカルト 2025/07/16(水) 13:02:43.97 ID:waBpAH530
参道の途中には、苔むして朽ちかけた石灯籠がいくつか並んでいた。腐敗した木々や湿った土の匂いの中に妙に甘ったるい、それでいてどこか鉄のような、得体の知れない異臭が広まってた。今ではあまり憶えていないが、腐った果実にハエが付きまとってる様な吐き気を催す匂いだった。そんな灯籠の足元に、白いものが落ちているのに気が付いた。最初は、誰かがゴミを捨てたのかと思った。
「ん?なんだこれ…」(当時会話してた内容は詳しく覚えてないから違う所もあるかもしれない)
しゃがんで拾い上げてみると、それは泥だらけの大根だった。スーパーで売っているような綺麗なもんじゃなくて、土から無理やり引き抜かれたかのような、いびつで妙に生々しい形をしていた。表面には細い根が無数に絡みついていた。その大根からは人糞にシロップをかけた様な匂いがしていた。根の先は異常なぐらい鋭く、勢いを付ければ手を切ってしまいそうな硬さだった。そんな事より、こんな山奥の参道に何故大根が落ちている事に俺らは不気味さを感じた

引用元: ・死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?383

759: 名無しのオカルト 2025/07/16(水) 20:15:58.87 ID:waBpAH530
遅れてスマソ
>>751
読んでる人がいて良かった
続き
「誰かが落としたんじゃねえの?」と友人が適当なことを言ったが、この辺りに畑なんかない。町の畑は全て参道の入り口よりも手前にある。気持ち悪くて、俺はその大根を道の脇に勢いよく蹴り飛ばした。今思えばこの時から俺達は狙われてたのかもしれなかった。その瞬間、俺達の後方から、カサリと何かが動いたような気がしたが、気のせいだと自分に言い聞かせた。しかし、そのカサリという音は、森中に段々と大きく響き渡ってきた

760: 名無しのオカルト 2025/07/16(水) 20:20:34.09 ID:waBpAH530
さらに奥、参道の終点には、ひっそりと佇む木造の祠があった。建立されてから何百年と経っているような古び具合だった。祠の屋根は苔むし、木材は腐りかけ今にも崩れ落ちそうに見えた。扉は傾いて半開きで中を覗くと真っ暗で何も見えない。けれど、その暗闇の奥から妙な静けさだけが、ひやりと這い上がってくるようだった。その静けさは、まるで吸い込まれてしまいそうなぐらい不気味な雰囲気を醸し出してた。そして、その静寂の奥から微かに、本当に微かに土が擦れるような微かな軋みが聞こえてくるような気がした。それは重い何かがゆっくりと、しかし確実に地中を移動しているかのような音だった。地面の振動は感じられないのに音だけが脳に直接響くようだった

761: 名無しのオカルト 2025/07/16(水) 20:23:46.46 ID:waBpAH530
その時だった。背後から、カツ、カツ、カツ…と硬いものが地面を叩くような規則的な音が聞こえてきた。しかし、その足音には人の歩行にあるはずのわずかな揺らぎや不規則性が一切なく、まるで精密機械が動いているかのような完璧なリズムだった。振り返ると自転車のライトの光すら届かない深い闇の中に、全身を真っ黒なタイツのようなもので覆い、顔には大きめのサングラスを付けた男が立っていた

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762: 名無しのオカルト 2025/07/16(水) 20:26:00.88 ID:waBpAH530
身長は俺達より頭一つ分くらい高いか、それ以上。輪郭すら見えず、体全体が闇に溶け込んでいるようだった。そして奴のサングラスからは赤黒い光が発せられてた。その光は一度視界に入ると、網膜に焼き付くかのように脳裏にこびりついた。まばたきをしても残像が残るほどだった

763: 名無しのオカルト 2025/07/16(水) 20:28:18.93 ID:waBpAH530
男は何も言わず、ただ微動だにせず立っている。その異様な姿と、まるでアスファルトを直接叩くかのような、ありえないほどの硬質な足音に俺達の息は完全に止まった。恐怖で金縛りにあったように動けない。奴は間違いなく俺たちを見つめている…そう確信した。呼吸すら忘れて、ただ、奴のその不自然なまでの静止を凝視することしかできなかった。その静止は、まるで時間が止まったかのようでありこの世の理から外れたもののようだった。周囲の空気も奴の存在に合わせて重く冷たくなった気がした

764: 名無しのオカルト 2025/07/16(水) 20:32:45.82 ID:waBpAH530
そしてその男が、ゆっくりと、本当にゆっくりと、右腕を上げて何かを指し示した。その指の先は祠の、さらに奥の、立ち入り禁止区域の深い森の闇だった。その異様に細く長い指がまるで細い棒のように見えたのを覚えている。あれは人が指し示すような自然な動きではなく関節が完全に固定された人形の腕が無理やり動かされたかのような、ぎこちない動きだった

その時、奴の全身から微かに、本当に微かに、土と鉄が混じったような錆びた匂いが漂ってきた気がした。それは何かが深く長く地中に埋もれていたかのような死臭でありながら、同時にどこか大自然の生命感も感じさせる矛盾した匂いだった

765: 名無しのオカルト 2025/07/16(水) 20:44:29.93 ID:waBpAH530
その瞬間、恐怖は臨界点を超えた。俺達は悲鳴を上げることすら忘れ、ただただ一目散にチャリを漕ぎ回しアスファルトの道へと飛び出した。途中で俺のチャリは落ちてる木の枝につまづいて転倒したが、友人が手を差し伸べてくれて俺達は漫画のようにチャリに二人乗りし逃亡した。この時コイツとなら結婚しても良いと思ったのは内緒。だが、そんな俺らの友情パワーを持ってしても背後からはあのカツ、カツ、カツ…という足音が、まるで追いかけてくるかのように、どこまでも正確なリズムで響いてくる

その音は、俺達の心臓の鼓動とシンクロしているようだった。やっとの思いで町灯りの見える場所まで必死で逃げた。俺達がようやく人里離れた集落の民家に着いた時、その足音は嘘のように聞こえなくなった。けれど心臓は爆音を立て、肺は焼けつくようだった。あの夜の恐怖は、皮膚の奥深くに刻み込まれた。家に着いた俺は親に「こんな夜中にどこ行ってやがった!!」と怒鳴られ愛のムチを食らったが数日間は、夢を見るのが怖くて眠れず、眠ってもあの男の姿と足音にうなされた。そのせいで睡眠不足で酷いクマが目元に付いた。夢の中では、あの男が常に何かを指し示している。そして、その指の先には、いつも、地面から突き出た歪な大根があった

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766: 名無しのオカルト 2025/07/16(水) 21:08:51.41 ID:waBpAH530
あの夜以来、俺と友人は極力外出を控え家でメールでやり取りしていた。そしてそれから数週間経ち、恐怖心が安らいできた所で俺らは外出しだした。だが…既に俺の精神は蝕まれてた

まず、俺の生活空間にあの大根が現れるようになった。いや、【そう見えるようになった】と言うべきか

最初に俺が異変に気付いたのは夏休みが明けて新学期の初登校をしていた時だった。通学路の道端にあの忌まわしい大根が置いてあったのだ。俺はいつも一緒にいる仲の良い友人達、所謂イツメンを置いて全速力で家にUターンした。その数分後にイツメン達が来てどうしたのかと尋ねてきた。イツメンの中には一緒にあの夜の出来事を体験した友人も居た為、彼に事情を話した

だが、当事者である友人はその事を一切忘れていた。「何のつまんねー冗談だよw」と抜かしていたので、俺はその態度に怒りを憶え「ふざけてんのはお前か!スッとぼけてんじゃねえぞオイ!!」」と怒鳴り散らかした。勿論イツメンは全員俺の態度の変わりように啞然としていた

俺はすぐ我に戻り「ご…ごめん、そんなつもりじゃなかったんだ」と言い携帯でアイツとあの夜についてのやり取りをしたメールを見せようとしたが何故か全く違うメールと置き変わっていた。友人は「今日のお前なんか変だぜ。行こうぜ皆」と言い行ってしまった。結局その日、俺は高校には欠席した

その日の夕方、俺は友人に謝りに行くべくチャリに乗ろうと家を出た。だが俺はすっかりあの夜に森に自転車を置いてきた事忘れていた。別に自転車が無くても徒歩でアイツの家まで行けるが、それ以前に自転車が無いとこの先の長距離移動などに困る。なので俺は勇気を振り絞り懐中電灯を片手に一人であの森向かった

767: 名無しのオカルト 2025/07/16(水) 21:21:27.17 ID:waBpAH530
森を歩いて約1時間半、やっと俺は置き去りにした my bicycle の元へ辿り着いた。だが違和感があった。自転車からは生臭い匂いを放ち、触れると手が焼けるぐらい異常に冷たかった。まるで氷のようだった。外見もよく見ると何年も放置されたかのように錆び、所々溶けていた。タイヤに至っては空気が抜けて完全に溶けてアスファルトの地面にこびり付いていた為、引き剝がすのに苦労した。たった1,2ヶ月でここまで錆びる事を不審に思いつつ、俺は両手で使い物にならなくなったチャリを担いで帰宅した。そしてその翌日、自転車を見てみると、完全に腐食され奇形にされていた。触れると今度は熱した金属のように熱く、激しく火傷した。そしてそのさらに翌日、俺の愛しい自転車は土に還っていた

771: 名無しのオカルト 2025/07/17(木) 10:19:48.09 ID:FGdFlfQB0
ずっと面白く読ませてもらったけど
my bicycle
で思わず笑ってしまった
まだ続くのね

管理人:洒落怖——「死ぬ程洒落にならない怖い話」スレの略称。日付をまたいで少しずつ投稿された長編で、読み手のコメントも含めてスレの空気感がよく伝わってくる一本です。参道で拾った大根という、妙に生活感のあるモチーフの使い方が上手いなと思いました。
続きが投稿され次第、追ってご紹介する予定です。似たような妙な体験があれば、ぜひコメ欄で教えてください。

コメント

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